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台湾の液晶パネルシェア、来年も世界一


ニュース 電子 作成日:2007年11月13日_記事番号:T00003723

台湾の液晶パネルシェア、来年も世界一

 
 資訊工業策進会市場情報中心(MIC)によると、台湾メーカー生産による液晶パネルが世界市場に占めるシェアは今年43%、来年42%で、来年も引き続き世界一の座を維持する。ライバルの韓国は今年も来年も40%という予測だ。13日付経済日報などが報じた。
 
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 MICは12日開催した「2008 MIC世界IT(情報技術)産業発展趨勢系列研討会」で、台湾の各IT産業分野の来年の展望について、アナリストらが見解を発表した。

 周士雄MIC資深産業アナリストによると、液晶パネルの来年の世界全体の生産能力は、大手パネルメーカーが新世代生産ラインへの投資を抑制する傾向にあるため、前年比増加率が過去最低の17.9%に落ちる見通し。一方、来年の各製品別のパネル需要伸び率は、▽液晶モニター、13%▽ノートブック型パソコン、27%▽液晶テレビ、27%──と、引き続き伸びていく。各製品向けの出荷量は、▽液晶モニター、約1億9,800万枚▽ノートPC、約1億3,400万枚▽液晶テレビ、1億200万枚──とすべて1億枚の大台を突破する予想だ。

第6世代はノートPC用未生産

 周アナリストは来年上半期のパネル需給は全体として均衡が取れているが、第2四半期より逼迫傾向が強まり、第3四半期は供給不足が拡大する。製品別ではノートPC向けが下半期で不足率11~16%と最も大きくなる。モニター向けは12%、テレビ向けは9%の不足となる見通し。 

 パネルメーカーによると、15.4インチや14.1インチなど主流のノートPCパネルは大部分第5世代ラインで製造しており、第6世代ラインではまだノートPC用パネルは生産していない。このため、ノートPC用パネルの供給は短期的には増えないと考えられる。

製品は大型化が進行

 液晶パネルの出荷量および面積から分析した、今年の台湾、日本、韓国、中国の4カ国・地域の製品の出荷傾向は、液晶テレビの出荷台数は日本が首位でシェア33%、液晶モニターは中国での出荷が86%と圧倒的で、ノートPCは台湾の36%が最高だった。今年のパネル出荷は、日本と韓国は液晶テレビ向けが中心で、台湾と中国は液晶モニターが中心だ。

 世界市場での液晶モニターの浸透率は90%に達し、ノートPCは35%。消費者ベースではパネル使用製品は引き続き大型化が進む傾向にあり、ノートPCは15.4インチ型が主流になる一方、液晶モニターは19インチ以上、液晶テレビは40インチ以上の製品の出荷が増えていく。

中小型は供給増に限界

 中小型パネル市場の見通しについては、謝佩フン資深産業アナリスト(フンはくさかんむりに分)が、「生産ラインが需要逼迫状態の大型パネルに割り当てられており、台湾、日本、韓国とも新たな中小型向けラインの建設計画がないことから、需要は旺盛であるものの生産能力の拡大は抑えられる」という見解を表明した。

 今年第3半期の台湾メーカーによる中小型パネルの出荷量は、コンシューマ向け製品の需要拡大で前期比20.6%増、前年同期比で87.7%増を記録した。需要増により平均販売価格も上昇し、7インチパネルの上げ幅は半年で20%以上となり、この11月に1枚30米ドルに戻った。携帯電話用パネルも中国需要の安定により、パネル価格も安定していた。

 今年第4四半期と来年第1四半期はハイシーズンの終了によりやや出荷ペースが落ち込むものの、通年成長率は46.2%を記録する。 

 なお、中国では上海天馬微電子が年末に4.5世代ラインを稼働させ、京東方科技集団も2009年に4.5世代ラインを稼働させる予定であるため、「4.5世代ラインが全世界で7本になり、今後の中小型パネルの需給に与える影響を注視する必要がある」とした。