ニュース 社会 作成日:2012年6月1日_記事番号:T00037432
このほど新北市の新荘国民中学で、成績の良い生徒を図書館などのクーラーのある施設に集めて自習させ、その他の生徒は扇風機のみの教室で勉強させていたことが生徒からのクレームで明らかになり、「教育の場で差別があっていいのか」と問題視されている。
台湾では6月の第2週、中学3年生を対象にその結果によって高校入学の合否が決まる「国民中学学生基本学力測験」という試験を控えている。
学校側は当初、今回の措置について「既に進学が内定している生徒がこれから受験する生徒の邪魔をしないよう配慮したと説明。しかし、クーラーのある図書館、会議室、実験室などで自習することが許されていたのは成績が上位400位までの生徒と、教師が特別に選んだ生徒のみ。
他の生徒が教室で汗を流して暑さに耐えていたのに対し、1日中クーラーが効いた部屋で勉強していた生徒の中には「寒い、寒い」と上着を着て勉強する姿もあったとか。教育部の指摘を受けた同校の校長は、事実を認めた上でこの措置を即時中止した。
そんな中、「うちの学校はもっとひどい」という訴えが挙がったのは高雄市の青年国民中学だ。同中学では成績150位以内の生徒を校内で唯一クーラーのある図書館で勉強させ、その時間帯、他の生徒は立ち入り禁止、本を借りることもできなかったという。
同校教務主任によると、「成績が上位でも教室に残る生徒や、150位以下でも希望する生徒がいたので、希望者からクーラー代として一律100台湾元を徴収していた」という。校長は、試験が終了すればすぐ図書館を開放する予定だったので問題はないと説明した。
社会に出てから学歴によって待遇が異なるというのは世界中どこにでもある話。しかし、それが中学生の学校生活にまで及んでいるとは、台湾の学歴社会の根深さをうかがわせる出来事だ。
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