ニュース 電子 作成日:2012年6月5日_記事番号:T00037513
台湾勢のマイクロソフト(MS)次世代OS(基本ソフト)、Windows 8搭載の新製品は、ノートパソコン操作に慣れたユーザーが1台でさまざまな端末機器のメリットを享受できる点をアピールする。宏碁(エイサー)はタブレット型PCにキーボードとスタンド(台座)を付属させた。華碩電脳(ASUS)は大画面オールインワン(モニター一体型、AIO)PCまでディスプレイ部分を取り外し可能にした。ノートPCと明確に差別化したアップル「iPad」に挑むもので、勝負の分かれ目となりそうだ。5日付工商時報などが報じた。
「アイコニア W700」。仕事にも読書にも使える(エイサーリリースより)
きょう5日開幕の第32回台北国際電脳展(台北国際コンピューター見本市、コンピューテックス)に先駆け、エイサーとASUSは4日、Windows 8搭載の新製品を一挙公開した。
価格競争を否定
エイサーは世界最薄をうたうタッチパネル搭載ウルトラブック(超薄型軽量ノートPC)「Aspire S7」のほか、タブレットPC「アイコニア W510」、「W700」などのWindows 8搭載製品を発表した。タブレットPCは着脱可能なキーボード付属で、うち「W700」はスタンドに立てかけてデスクトップ型PCとして使うことも可能だ。
王振堂エイサー董事長は、Windows 8のライセンス料が高くなるなどの観測が出ていることに対し、搭載製品は先進市場が当初のターゲットで、特にアップルの本拠地、米国が鍵となるため価格で争うわけでないと語った。Windows 8を搭載すれば、製品の大革新が可能だと評し、「ライバル(アップル)を驚かせることができる」と自信をのぞかせた。
王董事長は、サプライチェーンが8月に少量を出荷し始め、9月には出荷量が増えると予測した。
アイデア企業、世界初の両面画面
一方、ASUSは、世界で初めて前後両面にディスプレイ画面を搭載した11.6インチと13.3インチのノートPC、「太極(TAICHI)」を発表した。閉じればタブレットPCとして使える。18.4インチのオールインワンPCも、取り外せば世界最大のタブレットPCとなる。このほか、「タブレット600」は、世界初公開のARMアーキテクチャ採用のWindows 8搭載タブレットPCだ。
「TAICHI」。表と裏のディスプレイで2人同時使用も可能だ(ASUSリリースより)
ASUSは同日、PC、タブレットPCなど家中の機器でデータを共有できるクラウドコンピューティングサービス、「ASUSオープンクラウドコンピューティング(AOCC)」も発表した。
ASUSのWindows 8搭載製品は9月から相次いで出荷し、10月にも発売できる見通しだ。
有用性に疑問、勝算なし?
同日付工商時報によると、Windows搭載PC陣営は、「タブレットPCとしてしか使えない」ことをiPadの弱点としてクローズアップし、ノートPC、タブレットPC、デスクトップPCを一体化して、「この1台で十分だ」と感じさせようと躍起だ。しかし今回のASUS18.4インチオールインワンPCにしても、家の中ならまだしも、都市交通システム(MRT)内や空港で「巨大タブレット」として使う必要性は感じられず、アップルのティム・クックCEOがかつて語った「冷蔵庫にパン焼き器を加えたようなもの」という評価が核心を突いているのではないかと、有用性に疑問を投げ掛けた。
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