ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

HTC苦戦、Q2業績予測を下方修正


ニュース 電子 作成日:2012年6月7日_記事番号:T00037564

HTC苦戦、Q2業績予測を下方修正

 スマートフォン大手、宏達国際電子(HTC)は6日、第2四半期の売上高予測を13%下方修正した。同社は欧州での販売不振が主因で、アップルとの特許紛争に関連しHTC3機種が一時米国税関で留め置かれた問題の影響は「限定的」と強調した。ただ「One」シリーズによる巻き返しが思うように進まず、サムスン電子が6月から「ギャラクシーS3」を世界各地に投入し、アップルも次世代iPhoneを第4四半期に発売するとみられる中、HTCは下半期も苦戦を強いられる恐れがある。7日付電子時報などが報じた。

 HTCは第2四半期の売上高予測を910億台湾元(約2,400億円)へと従来の1,050億元から引き下げた。下方修正は昨年第4四半期に続き、過去8カ月で2回目だ。同社が発表した5月売上高は、前月比3.3%減の300億元で、4~5月累計では610億元だった。

 張嘉臨HTC財務長は、米国での発売遅延よりも、欧州販売不振の影響が明らかに大きいと強調した。欧州での販売不振は、先行き不透明感に加え、価格競争の過熱、新旧製品の入れ替え時期などが原因と分析した。

 第2四半期粗利益率の予測値は27%で変わらなかった。同社は、昨年の一部製品の販売店での在庫処分で26億元を一括費用計上したためで、これがなければ粗利益率予測は29%だったと指摘した。このことから、「One」シリーズ発売で粗利益率が向上したものの、ユーロ安や販売不振で帳消しになったことがうかがえる。

高級・大衆向け、ともに課題

 一方、あるスマートフォンメーカーは、欧米市場でHTCはグーグルのOS(基本ソフト)「アンドロイド」搭載や次世代高速通信規格「LTE」対応による先行メリットが薄れており、高級ヘッドホンメーカー、ビーツ・エレクトロニクスとの提携機種で一部ユーザーを取り込めるたものの、サムスンやアップルにブランド力、使いやすさ、コンテンツで依然かなわないと指摘。サムスンとアップルに対抗する新製品を投入しないのならば、下半期の売上成長は困難だとの見方を示した。

 また、中国市場でHTCの新「デザイア(新渇望)」シリーズが好調だが、大部分の市場でミドル~ローエンド機種が力不足で、同カテゴリーの出荷は同社全体の2割に満たないと推測。ブランド価値向上とコストパフォーマンスが今後の課題になると指摘した。 

【表】