ニュース その他分野 作成日:2012年6月11日_記事番号:T00037620
陳冲行政院長は10日、欧州債務危機の台湾経済への悪影響を低減する方策について、公共建設の拡大、または財政拡大政策の実行が検討できると発言した。欧州債務危機が発生して以来、行政院長が財政拡大政策を取ることを示唆したのは初めてだ。11日付経済日報が報じた。
外部環境が困難な中、内需振興に活路を見い出すのは妥当な判断だ。陳行政院長にとっては、電力料金値上げとキャピタルゲイン税導入で落ちた人気の回復を期待したいところだ(中央社)
欧州ではスペインの銀行部門支援表明に対し、ユーロ圏財務相が最大1,000億ユーロ(約10兆円)の支援を行うことで合意したことを受けて、次の焦点は17日に行われるギリシャの国会議員選挙に移りつつある。陳行政院長は、「スペインの支援要請は予想できたことだが、ギリシャの選挙は同国がユーロ圏から離脱するかとどまるかにかかわるので影響は重大だ」との認識を示した。その上で、欧州では成長重視派と支出抑制派の意見が分かれているとした上で、「こうした中で他国が経済成長を選択するのであれば、台湾も他人事として放っておくわけにはいかない。公共建設の拡大または財政拡大によって目的を達成する」と述べた。
陳行政院長は当面の具体策として、既に予算が計上された公共工事の前倒し執行や、PFI(民間資本整備を活用した社会資本整備)推進を挙げた。そして、次の段階では特別予算の編成や公債発行上限の緩和が検討できるとしたが、これらについては 議論が必要だと説明した。なお、管中閔政務委員は、公共建設の予算拡大について、来年度の政府予算に盛り込むことが現実的との考えを示した。
行政院は今週、関連部会(省庁)を集めて欧州の動向をにらんでの景気対策を討論し、今月末までに具体策を決める予定だ。
欧州依存企業、受注に懸念
なお、電子業界への欧州債務危機の影響について、証券会社から、欧州市場への依存度の比較的高い、▽華碩電脳(ASUS)▽宏碁(エイサー)▽宏達国際電子(HTC)▽鴻海科技集団(フォックスコン)──は第3四半期の受注に懸念があるとの見方が示された。台湾積体電路製造(TSMC)、聯華電子(UMC)のファウンドリー2強は、第3四半期は前期比で成長するものの成長幅は減退し、第4四半期の受注見通しも弱まるとの見方だ。
これら大手電子企業は今週相次いで株主総会を迎えるため、経営陣からどのような見通しが示されるか注目されている。
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