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卒業式出席率アップ大作戦、iPad抽選や商品券プレゼントも


ニュース 社会 作成日:2012年6月15日_記事番号:T00037703

卒業式出席率アップ大作戦、iPad抽選や商品券プレゼントも

  台湾では現在、卒業シーズンを迎えており、大学ではあの手この手を使って卒業式の出席率アップを図っている。中にはiPhoneやiPadが当たる抽選会を実施したり、商品券が贈呈される「賞」の発表を行うなど、学生を「モノで釣る」大学もあるようで、そこまでして出席者を増やすことに「何の意味があるのか」との批判も上がっている。

 先週卒業式を挙行した台中市の逢甲大学では、学校側がiPhone3台、同窓会がiPad10台を賞品として提供した抽選会を実施。その結果、式の出席人数は昨年の1,741人から2,318人に増加したという。

 高雄市の義守大学では、ここ数年卒業式の途中退席者が目立つことから、式の最後に、それぞれ3,000台湾元、6,000元、1万元の商品券が贈られる「学部長賞」(14人)、「学長賞」(1人)、「創設者賞」(1人)の発表を行った。その結果、こちらも出席者が一昨年に比べ倍増したという。

 しかし、こうした方法で卒業式の出席者を増やすことに対し、亜洲大学の楊志良教授は、「学生は式に出席するが、それは抽選が目当てで、卒業式に出たいためではない。そんなことをして出席者を増やすことに意味はない」と批判している。

 一方、「モノで釣る」ことなく多くの出席者を集めている大学もある。台北市の世新大学では、抽選会などを実施していないにもかかわらず、毎年8〜9割の学生が卒業式に出席、さらに2,000人近くの保護者も参列するという。

 同大学では、学生たち自身が祝辞を述べる来賓を選んだり、卒業式の光景を撮影したりしており、「自分が参加している」感覚が強いことが出席率の高さの秘訣だと学長は語る。

 なお楊教授は「米国の卒業式では、学生たちは正装で出席して静粛に式を見守るが、台湾ではジーンズやサンダルで出席し、おしゃべりする者も多い」と疑問を投げかける。どうあれ、学校側が気持ちよく送り出し、学生も感謝して巣立っていける式にすればいいと思うのだが。