ニュース 社会 作成日:2012年6月19日_記事番号:T00037753
台湾本島の南東部に位置する離島の蘭嶼島(台東県)には古くから原住民タオ族が暮らしており、カヌーによるトビウオ漁が有名だ。その蘭嶼にある東清小学校で卒業式が行われた17日、最後の授業として製作したタオ族伝統のカヌーに、卒業生の代表として黄豪蔚くんが乗り込み太平洋に向かって漕ぎ出した。
さっそうとカヌーを漕ぐ黄くん(17日=中央社)
東清小学校の卒業生11人が昨年8月に取りかかったカヌー製作は16日にようやく完成を迎え、卒業式開始前にタオ族の伝統に従って進水式が執り行われた。
生徒はまず午前中にブタ2頭をさばいて家族・友人に配った後、年長者が民謡を歌ってカヌーの完成を祝った。さらにカヌーに福がもたらされるよう、粟とタロイモを船内に置いた。
その後、5年生と6年生がカヌーを港まで担いで行き、船を水に下ろすと年長者が今度は1匹の魚を船内に置いた。これは、最初の進水時に大漁であれば、そのカヌーは運気がどんどん良くなるとの言い伝えによるもので、置かれた魚は、まだ漁ができない子どものために年長者が事前に捕まえておいたものだ。
儀式が終わり、いよいよ黄くんがこちらもタオ族男性の伝統的スタイルであるふんどし一丁で、同級生の卒業証書を積んだカヌーに乗り込んだ。その後、約20分間の航海を無事に終えて港へと戻り、卒業証書を同級生に配った。
黄くんは、「最初は緊張してうまく船をコントロールできなかったけど、伴走してくれたおじさんのアドバイスでだんだん上手に漕げるようになった」と誇らし気だ。息子の船出を見守った黄くんの父親も「自慢の息子だ」と感動した様子だった。
時代とともに失われつつある台湾の原住民文化。一度途絶えるととよみがえらせることは非常に難しく、かけがえのない文化を今後も守り続けてほしいものだ。この日、5年生には卒業生からカヌーのオールが引き継がれたそうだ。
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