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液晶パネル世界一、鴻海が宣言


ニュース 電子 作成日:2012年6月19日_記事番号:T00037776

液晶パネル世界一、鴻海が宣言

  鴻海科技集団(フォックスコン)の郭台銘董事長は18日、シャープとの提携で2年以内に液晶パネルで世界首位に立つと宣言した。シャープの高い技術、鴻海の実力と厚い顧客層が自信の根拠だ。特に第10世代のシャープ堺工場(大阪府)はサムスン電子が追い付こうにも3年かかると高く評価しており、3年後に台湾株式市場に上場する目標も明らかにした。19日付工商時報などが報じた。


郭董事長は、日本人は正面から反対しても後ろから刺すことはないという母親の言葉を引用して、「技術を盗まないと信用されている」と信頼関係をアピールした(18日=中央社)

 郭董事長は18日の株主総会で、シャープディスプレイプロダクト(SDP)が運営する堺工場は、60~80インチパネルを世界で唯一切り出すことができる上、コーニングとガラス基板の独占供給契約を結んでいると説明。サムスンは参入したくとも10世代ガラス基板を確保できないし、工場を建てて3年後に稼働しても、堺工場は既に量産体制に入っていると指摘。鴻海とシャープが組めば、必ずサムスンに勝てると自信を示した。

 個人名義で出資する堺工場に関しては、7月に合弁で運営会社、「スーパー10」を設立するほか、3年後の台湾上場を視野に、友人の李金土(阿土伯)氏、劉台安氏(ともに投資家)にも出資を求めていると明かした。

TV一貫生産、取付・修理まで

 郭董事長は、シャープと60インチ以上のハイエンド液晶テレビで提携し、スリムベゼル(狭額縁)、解像度1024×768ピクセルを目指す方針を示した。

 液晶テレビ組み立ては7月以降、一部のラインを新北市土城区に移転し、中秋節(今年は9月30日)までに新製品を社内で試験販売する計画もある。将来的に一部製品の台湾生産、販売に加え、鴻海の従業員が消費者の家庭で取り付け、修理まで行う一貫モデルを構築することで、台湾で就業機会を数千件創出すると語った。

「どの製品もあきらめない」

 郭董事長はさらに、シャープの高い液晶パネル技術に加え、鴻海がアップル「iOS」、グーグル「アンドロイド」、マイクロソフト(MS)「ウィンドウズ」の3大OS(基本ソフト)製品を手掛ける世界でも数少ない強みを強調。最終製品8種(テレビ、ノートパソコン、デスクトップ型PC、タブレット型PC、モニター、携帯電話、リモート教育、リモート医療)すべてをあきらめることなく、クラウドコンピューティングを加えた「8屏1雲」で市場を一網打尽にすると意気込んだ。

 また、広告代を浮かし、消費者に還元するため、電子商取引(eコマース)に参入すると宣言。シャープ、ソニー、ビジオの3大ブランドと提携し、「サ」から始まるメーカー(サムスンを指す)に対抗すると強調。「サムスン製品を買う人の気が知れない」と敵意をあらわにした。