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高校生のボランティア動機、過半数が「推薦入学に有利」


ニュース 社会 作成日:2012年6月20日_記事番号:T00037777

高校生のボランティア動機、過半数が「推薦入学に有利」

 台湾の高校でも社会学習の一貫としてボランティア活動への参加が取り入れられる中、金車教育基金会が19日に発表した調査結果によると、53%の生徒がボランティア活動への参加動機について「大学への推薦入学に有利なため」と答えていたことが分かり、父兄や専門家から「本来の意義が失われている」と批判が上がっている。

 金車教育基金会は4〜5月、全土16の中学、高校で計1,293人の生徒にアンケート調査を行い、53%から「ボランティア活動に参加したことがある」との回答を得た。そのうち、高校生の参加動機についての調査(複数回答可)では、「人生経験のため」が56%で最も多かったものの、2番目に多かった「推薦に有利」もこれに迫る比率となった。

 こうした結果が出た背景には、2014年から新たな教育要綱が適用されることがあるようだ。新要綱ではボランティア活動や地域コミュニティー活動への参加が推薦入学のための評価で、より重視されるようになるという。

 なお今回の調査において、中学生の参加動機は「興味があった」が44%で最多、「進学に有利」は17%にとどまった。しかし、これには今回の調査対象が、新要綱が適用されない中学2年生だったためとの見方もあり、金車教育基金会も「来年の調査では進学を動機とする生徒の割合が大幅に増える可能性がある」と認めている。

 既に台湾大学獣医系への推薦入学が決まっている生徒は「台大医院でボランティアを行ったのは進学のためということもあるが、将来の専攻分野に早くから触れたかったから」と語った。このように、「一石二鳥」的な考えが実際のところだと思われるが、「経済的に困難な家庭の生徒は、休日も父母の手伝いなどでボランティアに参加する暇がなく、推薦入学の評価項目に含めるのは不公平」との指摘もある。

 確かにこのままでは、ボランティア活動、推薦入学とも本来の意義が見失われることになる。再考の余地がありそうだ。