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都市再開発、容積率を大幅緩和


ニュース 建設 作成日:2007年11月15日_記事番号:T00003778

都市再開発、容積率を大幅緩和

 
 都市の再開発が奨励される地区での、容積率の大幅緩和が決定した。行政院会議(閣議)は14日、「戦略的再開発地区」の法定容積率を従来の1.5倍から2倍へと緩和を決め、早ければ来年1月から実施する。李逸洋内政部長は、「5年で新たな都市開発200件と、1兆元(約3億4,500万円)の民間投資を生み、2兆元の経済効果が期待できる」と期待を語った。15日付経済日報が報じた。
 
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 容積率緩和の対象となるのは、【1】高速鉄道、鉄道、都市交通システム(MRT)の駅から400メートル以内の範囲【2】河岸、港湾周辺の高度な再開発に適した地区【3】中央・地方政府の重大建設で更新が必要になった地区【4】老朽化したコミュニティの経済・産業振興、都市機能再生の必要のある地区──の4点。

 緩和率は、「容積率を1.5倍から2倍に」、または「法定容積率の0.3倍+現有容積率」から「法定容積率の0.5倍+現有容積率」へと変更される。これによって、「建ぺい率50%、容積率300%(1坪の土地の建築面積3坪の建物の建設が可能)」の物件の場合、現行の奨励案では1坪の土地の建築面積は4.5坪が限界だったが、今後規定を満たしたケースでは建築面積6坪が可能となる。内政部営建署では、「これまで150世帯規模だった案件が200世帯で建設できる」と指摘した。

都市再開発機構を設置
 
 また、都市再開発のペースを上げるため、行政院経済建設委員会(経建会)、内政部、国家発展基金が、大型建設企業、大銀行とともに「都市再開発機構」を組織する。同機構は民営の形を取り、北部、中部、南部各地で民間による都市再開発事業に出資する。張景森経建会副主任委員によると、同機構の資本金は最低50億元、国家発展基金から20億元の出資を想定している。

建設団体が働き掛けか
 
 これらの都市開発促進策に対し、建設業者の同業組合である中華民国建商公会全聯会の王光祥理事長は、「台湾不動産業界にとって過去25年で最もありがたい政策だ」と語り、歓迎の意を示した。

 台北市では、忠孝東路や仁愛路、信義路、和平東路などの都市開発案が直接の恩恵を受け、現在進行中の忠孝復興地区の正義国民住宅の再開発もより大規模なものになることが期待できる」とした。なお、経済日報によると、今回の政府決定の背景には、年末に理事長選挙を控えた建商公会全聯会と台北市建商公会の、両団体のトップによる働き掛けがあったという。 

 15日付中国時報によると、建設業者の中には歓迎する声もある一方、「選挙前は空手形が多い」「『5年で200件の新規都市開発』であれば、新案件が10日に1件出るということで、根本的に不可能」という冷めた声も聞かれる。