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献血血液のNAT検査全面導入、見送りの危機【図】


ニュース 医薬 作成日:2012年6月20日_記事番号:T00037787

献血血液のNAT検査全面導入、見送りの危機【図】

 行政院衛生署は、輸血用血液の安全性向上に向けた核酸増幅検査(NAT)の全面導入を計画していたが、予算不足で見送られる可能性が高まった。20日付自由時報が伝えた。

 衛生署は中央健康保険局(健保局)に対し、血液品質向上を目的として1億9,000万台湾元(約5億円)の予算計上を求めたが、20%の予算カットを求める意見が出て、全面導入構想は壁に直面した。

 NATは、検出したい特定のウイルスの遺伝子を試験管内で人工的に複製して増やし、高感度に検出する検査方法。従来の血清学的検査では、エイズの原因となるヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの抗原や抗体が検出できる量に増えるまでの空白期間に採血された血液の場合、ウイルスの検出ができなかった。NATは検査精度が高いため、空白期間を従来の22日から11日に短縮することが可能となる。

 衛生署は昨年、台湾血液基金会に補助を行い、NATを献血者の30%(50万人)に試験導入し、2人のHIV感染者を発見する成果があった。

 HIV防止に取り組む台湾露徳協会(台湾ルルド)の徐森杰秘書長は「精度が高い検査機器があるならば、政府は高い基準を設けるべきで、事後にエイズ治療に多額の医薬品費用をかけるのは本末転倒だ。予算計上が実現しなければ、血液安全政策の挫折だ」と批判した。