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対アセアン輸出受注、金融危機後初の減


ニュース その他分野 作成日:2012年6月21日_記事番号:T00037827

対アセアン輸出受注、金融危機後初の減

  5月の輸出受注は前年同月比3.04%減の364億7,000万米ドルで、マイナス成長が連続3カ月目に突入した。これまで安定成長が続いていた東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6カ国向けも同8.61%減となり、春節(旧正月)を除けば世界金融危機発生以降で初めてマイナス成長に転落した。経済部は世界経済の回復力が弱いことの現れで、6月もプラス転換は困難との見方を示した。21日付蘋果日報などが報じた。

 経済部が20日発表したASEAN主要6カ国(シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)向けの5月輸出受注は38億8,000万米ドルで、前年同月比8.61%減と主要仕向け先別で最悪の減少率となった。今年1月も同2.18%減だったが、これは春節で営業日が少ない季節要因があった。2月以降は同24.67%増、同8.92%増、同7.53%増と好調が続いていた。

 蔡美娜・経済部副統計長はASEAN主要6カ国向けのマイナス転落に関し、比較対象の昨年5月に造船業で大口受注があったことが主因だが、交通用具と関連製品を除外しても 同1.72%減になると指摘。電子製品や精密機器の同16~17%減が打撃となったと説明した。

 その他の主要仕向け先は、米国が同5.86%増の87億5,000万米ドルで成長を維持した以外は軒並みマイナス成長で、▽中国(香港含む)、94億2,000万米ドル(同4.32%減)▽欧州、63億3,000万米ドル(同8.17%減)▽日本、34億3,000万米ドル(同3.51%減)──だった。

交通・化学品が2けた減

 蔡副統計長は5月の輸出受注マイナス成長について、船舶業が昨年5月にASEAN主要6カ国のほか、欧州からも大口受注があったため、交通用具や関連設備が今年9億9,000万米ドルへと同32.10%減少したのが響いたと指摘した。

 化学品が同12.33%減の18億6,000万米ドルに落ち込んだのも要因だ。欧州債務危機問題が終息せず、中国の化学品需要が抑制されているほか、海外の石油化学大手が定期保守点検を終え、相次いで生産を再開していることが背景にある。

 また、情報通信製品も新旧製品の入れ替え時期に当たり、90億米ドルへと同2.41%減少した。



欧州問題の影響続く

 蔡副統計長は6月の輸出受注がプラス成長に転じるのは困難だが、減少幅は縮小すると予測した。欧州債務危機問題が世界経済の成長の足を引っ張り、原材料需要の伸びも鈍化する上、電子業界が非需要期入りするが、6月5~9日開催の台北国際電脳展(台北国際コンピューター見本市、コンピューテックス)での新製品発表や中国の利下げがプラスに働くとの見方だ。

【図】