ニュース 社会 作成日:2012年6月25日_記事番号:T00037857
米経済誌フォーブスはこのほど、「アジアの慈善家48人」を発表した。その中で台湾からは長栄集団(エバーグリーン・グループ)の張栄発総裁、奇美集団の創業者、許文龍氏など大企業の創業者に肩を並べ1人の清掃員、趙文正さん(68)が選出され、2年前に同「アジアの慈善家」に台湾から選ばれた野菜売りの女性、陳樹菊さんの「男性版」として話題になっている。
近所の子供たちから清掃員の仕事をばかにされ悔し涙したこともあったが、趙さんは善行が知られたことで報われたはずだ(中央社)
趙さんは台中の貧しい農家に生まれ、幼いころ学校では兄弟と一つの弁当を分け合い、放課後はすぐに帰って農作業を手伝うといった状況で、結局、小学校しか卒業できなかった。
そんな彼は「十分な教育を受けられなかったことは無念で、ほかの子どもたちが衣食に苦労せず、健康でよく勉強できるようになれば」と35歳の時から寄付を始め、こつこつ積み上げた寄付金は計400万台湾元に達した。
日中は製鉄所の清掃員として働き、仕事が終わってからも夜11時まで廃品回収と身を粉にして働く趙さんの月収は1万5,000元。彼はそのうち何と3分の1を寄付に充てている。
「現代人は浪費し過ぎる」とたしなめる趙さん本人は大の節約家で、現在、妻と子ども2人合わせて月に5,000元あれば十分暮らしていけるという。
しかし彼が立派に育て上げた子どもたちからは「自分に厳しすぎる」との意見もあるようだ。というのも彼が身につける服は鉄工所の制服以外はすべて拾ってきたもの。テレビも「20年モノ」で、もちろん家にクーラーはない。洗濯機も2年前にようやく子どもからプレゼントされて使うようになったが、その際「無駄遣いするな」と叱りつけたという。
なお趙さんは、これほど多額の寄付をしていたことを妻にも教えていなかった。今回、フォーブズに選ばれたのも、慈善組織の間で話題となり、それが台中市社会局、さらに胡志強・台中市長の耳に伝わり、感動した市長が自らフォーブスに推薦文を書いた結果という。
「子どもたちの未来のために」と、自らの生活を切り詰め、黙々と支援してきた趙さんや、野菜売りの陳さんのような人が、実は台湾の発展を支えてきたのかもしれない。
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