ニュース 医薬 作成日:2012年6月26日_記事番号:T00037906
永豊餘集団傘下のバイオ医薬品メーカー、太景生物科技(タイジェン・バイオテクノロジー)は25日、同社が開発中の抗生物質新薬「奈諾沙星」の製造・販売ライセンスを、中国・浙江省杭州市の医薬品メーカー、浙江医薬に供与することで同社と提携契約を結んだと発表した。契約金は計1,400万米ドル。台湾の新薬が中国メーカーにライセンス供与されるのは初のケースで、業界では中国市場を早期に攻略する手段として賢明な判断との評価が出ている。26日付経済日報などが報じた。
ライセンス供与を発表した許明珠・太景執行長(右2)ら。同社はこの快挙までに創業から11年、30億台湾元以上の投資を費やした(25日=中央社)
奈諾沙星は黄色ブドウ球菌を消滅させる効果を持つ新たな抗生物質で、太景は今年末までに第3相臨床試験を終え、来年に台湾と中国で販売許可を申請し、遅くとも2014年までに経口剤と注射剤の販売開始を見込む。当面は市中肺炎治療薬市場をターゲットに、年間10億人民元(約125億円)の売上高を期待している。その後は糖尿病性足感染症などその他の適応症への応用も視野に入れている。
契約期間は20年で、浙江医薬の権利は中国国内に限られる。ライセンス契約金は800万米ドルだが、浙江医薬は第3相臨床試験終了後に、さらに600万米ドルを太景側に支払う。製品の販売開始後、太景は販売額の7~11%を受け取れるため、毎年3億~6億台湾元(約8億~16億円)の権利金収入を期待できる。太景の許明珠執行長によると、浙江医薬は奈諾沙星が属するキノロン類の販売と成長率で業界首位で、奈諾沙星の販売にプラス効果が見込める。
中国の薬品消費、15年に世界2位へ
許執行長はまた、中国は昨年の抗生物質販売額が薬品市場全体の約2割の680億人民元に上った世界で最も重要な抗生物質市場である上、15年には世界第2位の薬品消費国になるとして、中国市場の有望性を指摘した。浙江医薬と提携した理由について「中国市場は大きすぎて自社では販売できないため、製造・販売を委託することにした」と述べ、後続の新薬メーカーも同じモデルを採用するのではないかとの見通しを示した。
「臨床試験協力を早期に」
太景と浙江医薬の提携は、医療関連分野での連携強化を目指した中台間の「海峡両岸医薬衛生合作協議」の11年6月の発効後、初の国際的指針に基づく臨床試験における協力の成功例となる見通しだ。中央研究院の翁啓恵院長は、アジアは世界の薬品市場3兆米ドルの3分の1を占め、華人特有の疾病を対象に、中台間の臨床試験における協力が急がれると指摘した。
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