ニュース 金融 作成日:2012年6月28日_記事番号:T00037957
中国の大手商業銀行、中国銀行が27日、台北市信義区の台北支店で開業式典を行った。中国大手行が台湾に支店を開設したのは初めてで、中台間の金融交流で歴史的な意味を持つ。人民元と台湾元の直接決済が今後実現すれば、同支店が決済拠点となる。28日付工商時報などが報じた。
開業式には、呉伯雄・国民党名誉主席(左2)や江丙坤・海峡交流基金会董事長(右2)ら台湾側の重鎮が参加した。左は李礼輝・中国銀行行長(27日=中央社)
中国銀行台北支店は当面、企業向けの預金、融資、手形割引、商業手形割引、協調融資(シンジケートローン)および公債への投資を主要業務とする。リテール向けサービスの定期預金は、300万台湾元(約800万円)が最低受付額となる。なお、同行は台湾銀行、第一商業銀行、兆豊国際商業銀行など台湾の銀行10行と業務協力協定を、台湾の銀行29行および在台の外国銀行16行とは代理銀行契約を結んでいる。
開業式典で、李礼輝・中国銀行行長は、「中国銀行設立100週年に当たる今年、台北支店を開設できたことは両岸(中台)の金融協力における重要なマイルストーンとなった」とあいさつした。そして、過去3年、台湾企業向けに1,600億人民元の融資を行ったと説明した上で、「今後3年でさらに2,000億人民元(約2兆5,000億円)を実行したい」と、台湾企業との取り引きをさらに拡大させる方針を示した。台北支店の開設により、中国に進出した台湾企業の本社との連携を密接にでき、サービスをより充実させられるメリットがあるという。
台湾、協定は急がず
中台間の課題である人民元と台湾元の直接決済について李行長は、「当行は準備ができている。台北支店が最も重要な役割を果たせるようにしたい」と語った。また、昨年の中台間の貿易規模は1,600億米ドル、台湾側の貿易黒字は898億米ドルに達しており、通貨決済協定が結ばれれば、台湾企業にとって為替リスクおよびコストを低減できる大きなメリットがあると指摘した。
ただ台湾の中央銀行は、台湾域内の人民元が中国に回流するメカニズムの確立、および外国為替指定銀行への人民元引受業務の段階的開放を優先させ、中国との通貨決済協定はその後にする意向だ。金融分野の官僚は「国家主権の象徴である通貨は政治的に敏感なため、通貨決済協定は中台間の金融交流が一定規模に達した後に回す可能性がある」と発言した。
人民元と台湾元の直接兌換が実現した場合、双方の銀行各1行が決済銀行の役割を担うと予想されており、台湾側は兆豊国際商業銀行と台湾銀行が名乗りを挙げている。台湾銀行の張秀蓮董事長は「当行はまだ中国に支店を開設していないが、コンピューターシステムの準備は既にできており、選ばれる可能性が高い」と期待感を示した。
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