ニュース 電子 作成日:2012年6月29日_記事番号:T00037983
グーグルが自社ブランドのタブレット型パソコン「ネクサス7」を発表するなど、今年はタブレットPCの低価格が進み、ブランド間の競争が激化すると予想されている。資訊工業策進会産業情報研究所(MIC)は28日、今年タブレットPCの世界市場規模予測を従来から20%上方修正し、昨年の6,800万台から1億1,100万台へと63%拡大するとの見通しを示した。また、タブレットPCの8割は台湾メーカーが生産し、鴻海科技集団(フォックスコン)、広達電脳(クアンタ・コンピューター)が最大の恩恵を受けると指摘した。29日付経済日報などが報じた。
下半期にはアマゾンの第2世代「キンドル・ファイア」や、アップルの「iPad Mini」が、200米ドル前後の価格で発売されると観測されている。現在主流の10インチタブレットの平均499米ドルから半額以下の価格となるため、新たな需要の刺激が期待される。また、ホワイトブランドのタブレット市場が拡大している中国では、99米ドルの製品も登場した。ホワイトブランド製品は、タイやインドといった新興市場での政府の大型調達案件の相次ぐ落札もあって今年は市場が前年の2倍に拡大し、タブレット市場全体の成長に貢献すると見込まれている。MICの予測では、タブレット市場は2013年には1億4,600万台となり、その後も▽14年、1億6,400万台▽15年、1億8,100万台──と拡大を続ける見通しだ。
ASUS、Q3出荷倍増も
タブレットPC市場の拡大は、PC受託メーカー、部品供給メーカーに大きな恩恵をもたらすと予想されている。「ネクサス7」をグーグルと共同開発した華碩電脳(ASUS)は、第3四半期の出荷が前期比約2倍増の160万台に達すると見込まれる。なお、証券会社の予測では「ネクサス7」の今年の販売台数は300万~1,000万台と大きな幅がある。これは第2世代「キンドル・ファイア」の売れ行きや、「iPad Mini」が観測通り第4四半期に発売となるかに左右されるためだ。ちなみに花旗環球証券(シティグループ・グローバル・マーケッツ)は、「ネクサス7」はクアッドコアプロセッサーと1,280×800HDディスプレイを搭載する高規格の割に価格が安いため、好調な販売を見込んでいる。
ウィンテック、OGS50万枚を供給
「ネクサス7」の受託生産で中心となるクアンタも、第3四半期はタブレットPC出荷で前期比倍増が見込まれる。部品メーカーでは、タッチパネルの勝華科技(ウィンテック)の黄顕雄董事長が28日、「ネクサス7」向けのカバーガラス一体型(OGS)タッチパネルを受注し、単月出荷枚数は50万枚で今後さらに拡大するとの見通しを表明した。タッチパネルの宸鴻集団(TPKホールディング)、バッテリーの新普科技(シンプロ・テクノロジー)、加百裕工業(セルクスパート・エナジー)、電子ペーパーの元太科技工業の子会社であるハイディス、およびその技術ライセンスを受けた中華映管(CPT)などが、下半期業績に好影響が期待される。なお、グーグルはアプリケーション販売でハード製品をカバーする戦略のため、サプライチェーンへの発注価格を引き下げておらず、粗利益率は悪くないとの声が聞かれる。
タブレットPC市場が拡大する一方、MICは、今年のノートPC市場は欧州債務問題や中国経済減速などの影響で、前年比6.15%増の2億700万台にとどまるとみている。年初当時の予想成長率6.8%は実現困難な見通しだ。ノートPC市場の前年比成長率が1けたにとどまるのは2年連続となる予測だ。
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