ニュース 社会 作成日:2012年7月4日_記事番号:T00038038
台東県のとある海岸の波打ち際に砂や小石に混じって白い物体が大量に打ち上げられている。一見してティッシュペーパーのように見えるこの物体、近づいてみると実は海水を含んでふやけた食パンだと分かる。この海岸へやって来たレジャー客が魚に食べさせようと投げ込んだもので、魚が食べ切れなかった食パンに含まれる油分が海水を汚染して海藻の成長を阻害、結果として「保護区」の環境に悪影響を与えているという問題が発生している。
この海岸は「杉原漁業資源保護区」と呼ばれ、釣りなど魚類の捕獲が禁止されており、虱目魚(サバヒー)、豆仔魚(セスジボラ)などの天然魚が豊富に生息している。このため、夏になると海水浴に訪れる多くのレジャー客が魚のエサやりを楽しむようになった。
このエリアで魚にエサをやることは禁止されていないが、そのエサの内容が問題となっている。レジャー客の多くがエサとして魚に与えている食パンには約2%の油分が含まれており、食パンを与え過ぎることにより、魚の生息に必要な海藻が育たなくなり、生態バランスに影響が出ているという。中には弁当の食べ残しやピザなどを投げ込む人までいるという。
このため同エリアでは昨年から、油分を含むエサを魚に与えることを禁止する告知を張り出した。しかし、それでもこうした食べ物を海に投げ込む人が後を絶たなかったため、地元の環境保護ボランティアたちは、生態に負荷をかけないエサとして「海藻まんじゅう」を開発、15台湾元で販売を開始した。
その成果か今年、この地には新たにウツボの幼魚が姿を見せるようになったという。広大で一見、食パンなどには影響されないように見える海の環境も意外とデリケートだということが分かる。豊かな自然はできるだけ守りたいものだ。
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