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台中火力発電所、CO2排出量で世界最悪


ニュース 公益 作成日:2007年11月16日_記事番号:T00003804

台中火力発電所、CO2排出量で世界最悪

 
 世界の発電事業の二酸化炭素(CO2)排出量を調査している「CO2監視アクション(CARMA)」が14日発表した最新の2007年度統計によると、台湾の排出量は1億5,300万トンで国・地域別で13位だったが、発電所別では台湾電力の台中火力発電所(台中県龍井郷)が排出量4,130万トンでワースト1位、台塑集団(台湾プラスチックグループ)の麦寮発電所(雲林県麦寮郷)が3,240万トンでワースト6位となった。16日付中国時報によると、非核化推進政策などの要因により、今後も発電事業によるCO2排出量は増え続ける見通しだ。
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 ワースト1位と指摘を受けたことについて台電は、「台中火力発電所は発電機10基からなり、発電量は第4原子力発電所の2倍とアジア最大規模で、CO2排出量が多いのは当然」という見方を示した。同火力発電所の第1基の発電機は約10年前のもので、台電の士林発電所や林口発電所と比べて発電効率は良好という。

 張子敬行政院環境保護署副署長は、「台中火力発電所の発電容量が、比較対象の発電所の中で最大でなければ、台電に検討を求めたい」とコメントした。

石炭火力、4割に

 経済部の全国エネルギー会議によると、台湾は現在総発電量の35%を石炭火力発電所に頼っており、5~10年後にこの比率が40%に高まって、CO2排出量はますます増加する見通しだ。

 環境NGO(非政府組織)である環境品質文教基金会の劉銘龍董事長はこの理由として、原油や天然ガス価格は上昇を続ける一方、政府が電力料金の抑制策をとっているため、台電は安価な石炭を重視せざるを得ないことを挙げている。非核化政策の下、原子力発電所の増設は不可能で、水力発電所もすでに設けられる場所がない状態だ。現在注目を集めている再生エネルギーによる発電も、コストが高い上、安定性に欠け、全エネルギー供給の15%が上限とみられると指摘する。

将来は総量規制も
 
 張環境保護署副署長によると、現在、温室ガス減量法を審査中で、将来はCO2排出に対し総量規制を実施し、発電事業に対しても排出割り当て規制を検討するというが、現状ではエネルギー政策の何らかの変更が必要なようだ。

 さまざまな制約があり、発電事業のCO2削減は当面は進む見通しが立っていない。劉董事長も、「各党派ができるだけ早くこの問題で協力して、解決策を探るべきだ」と一般論で結論を語った。