ニュース 社会 作成日:2012年7月5日_記事番号:T00038065
欧州連合(EU)では今年から、卵を採るためのニワトリを「バタリーケージ」と呼ばれる狭いカゴの中で飼育することを禁止する「EU産卵鶏福祉指令」が施行されたが、台湾でもこのほど、アジアで初めて同規定に沿っているとして認証を受けた養鶏場が高雄市に出現した。この養鶏場が新たに採用した飼育カゴは、内部に産卵エリア、遊びエリア、爪とぎエリアなどが設けられた「5つ星ホテル」クラスの設計となっており、ここで採れた卵は高価にもかかわらず健康的で臭みもないとして多くのファンが付いているという。
「5つ星養鶏場」を導入したのは高雄市阿蓮区の石安牧場。昨年、十数億台湾元をかけて養鶏場を改装。新しい飼育カゴには30〜40羽のニワトリを入れており、1羽当たりの面積は750平方センチメートルと、従来のカゴの3〜4倍に広がったそうだ。
「ニワトリの気持ちは分からないけど、誰だって動けるスペースは広い方がいいんじゃないかな」と語る謝文峰さんが総経理を務める石安牧場は、1980年代から世界レベルの先進技術や考え方を導入し、経営者が代替わりした現在も、世界の流れに合わせた改善努力を怠っていない。
なお現在台湾の養鶏場では99%がA4大の広さに2〜4羽を押し込むバタリーケージを採用しており、中のニワトリは一生土を踏むことも羽を広げることもないという。また生産率を下げないため「断食」をさせて強制的に代謝を高めるという残酷な手段も採られているそうだ。
台湾動物社会研究会の陳玉敏主任は、従来型の飼育方法では鳥インフルエンザのリスクが高まるほか、「ニワトリが幸せを感じなければ、生まれる卵は健康ではない」ことが分かっていると指摘。不健康な卵を食べれば人間の健康にも影響が出ると警鐘を鳴らしている。
なお石安牧場では飼料にニンジンや霊芝を混ぜるなどニワトリの健康にも気を遣っており、卵の販売価格は1個10〜20元と、一般的な卵の2〜3倍。しかしマクドナルドで採用されたり、大手量販店のコストコが販売するなど流通経路は広がっており、今月からセブン−イレブンでも販売が始まる予定だ。
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