ニュース 電子 作成日:2012年7月5日_記事番号:T00038090
ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長は4日、ルネサスエレクトロニクスから12インチウエハー工場を買い受ける予定はないと発言した。ルネサスが事業再建計画に従い譲渡または集約を検討すると発表したシステムLSI(大規模集積回路)の主力生産拠点、鶴岡工場(ルネサス山形セミコンダクタ)は、TSMCに売却する方向で交渉中と複数の日本メディアに報じられていたが、これを否定したものだ。5日付蘋果日報などが報じた。
張忠謀TSMC董事長は、大口顧客の「心変わり」も競合に受注を奪われることも恐れていないと自信を示した(4日=中央社)
ルネサスの事業再建計画発表を受け、張董事長はルネサスが先進製造プロセスへの投資を継続せず、TSMCに対する発注を拡大する方法を選んだと指摘。10年を超えるルネサスとの提携関係が花開くと語った。張董事長は先日、今後5年はルネサスからの受注が増えるとの予測を示していた。
28ナノ、共同開発も
外資系証券会社は、ルネサスからの受注が40ナノまでならば、TSMCに対する貢献も限定的だが、ルネサスはTSMCと28ナノの共同開発を検討すると強調した上、生産の外部委託を2011年の15%から16年には30%に引き上げる計画だと指摘。TSMCは現在、日本からの受注が連結売上高の約4%(ルネサスは1~2%)にすぎないが、13年に5~10%に高まり、10%以上となる可能性もあるとの予測を示した。
生産能力不足、来年には解消
一方で、TSMCは28ナノの生産能力が供給不足に陥っており、大口顧客がTSMC以外の調達先を確保したり、競合に受注を奪われたりといった事態が市場で懸念されている。張董事長は、確かに28ナノの需給は逼迫(ひっぱく)しているが、全力で生産能力を増強することで、第4四半期には顧客の需要に近づき、来年第1四半期には需給バランスが取れると語った。来年には28ナノ、20ナノの供給量が増えるため、結局は顧客も市場もTSMCが頼みの綱だと強調した。
張董事長、第1回工研院院士に
張董事長の発言は、第1回の工業技術研究院(工研院)院士として表彰された際に、メディアからの質問に回答したもの。張董事長のほか、華碩電脳(ASUS)の施崇棠董事長、発光ダイオード(LED)大手、晶元光電(エピスター)の李秉傑董事長など8人が第1回院士に選ばれた。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722