ニュース 商業・サービス 作成日:2012年7月9日_記事番号:T00038146
馬祖列島(連江県)でのカジノ事業解禁の是非を問う住民投票が7日行われ、賛成多数で承認された。台湾初のカジノリゾートが早ければ5年半後にも実現する。開発業者が600億台湾元(約1,600億円)以上を投じる計画で、地元は公共交通機関の利便性向上や若者の就業機会創出などを期待している。一方、李鴻源内政部長は交通のほか、水道、電力、ガソリンなどのインフラが十分整備されておらず、(中国に近い立地から)国防問題などの課題も残ると指摘した。9日付聯合報などが報じた。
楊綏生・連江県長は、県民がカジノ誘致による交通インフラ改善を望んでいる表れだと語った(7日=中央社)
連江県の発表によると、住民投票の投票率は40.76%で、賛成1,795票、反対1,341票、無効28票で、賛成多数だった。
楊綏生・連江県長は、中央政府と立法院に対し、できるだけ早く法整備を行ってほしいと訴えた。観光リゾート村の入札募集も1年以内に実施したい考えだ。
連江県のある村長は、カジノができれば台湾や中国の観光客を呼び込め、政府が遅々として手を付けない交通事情も改善され、地元の就業機会が増えて若者が戻ってくるとメリットを指摘した。一方、仁愛国小(小学校)の校長は、児童が賭け事に興味を持つことや、馬祖の美しい自然が壊されることを心配している。
宿泊・飲食など含む総合開発計画に
行政院の胡幼偉報道官は、今週中にカジノ開発の法的基礎となる賭博管理条例専法の草案をまとめ、1カ月後に明確にすると表明した。また、馬祖の発展モデルについては、賭博だけに頼るのではなく、宿泊や飲食業も含め、交通の利便性を高めるなど総合的な計画が必要だと強調した。
シンガポールを参考に、賭博場は国際観光リゾートの中に設置しなければならず、旅館、ショッピングセンター、ゴルフ場などが併設できる。交通部観光局の法令によると、エリア内の賭博場の面積は5%を上回ってはならない。観光局は現在、投資に際しての審査弁法を協議しており、年内にも公布、試行される見通しだ。
交通部は、審査弁法施行の早ければ2年後に建設許可を発給し、業者がその後、主管機関から営業免許を取得すればオープンできると説明した。海外の例を基にすると、早くても5年半後の計算だ。
民用航空局(民航局)は、定員100人以上の航空機が乗り入れるならば、滑走路を延長するなどで業者が80億~100億元を投じることになると予測した。
「中央政府の協力必須」
李内政部長は、主管機関を決定する前に基本方針や方向性を定めなければならず、まず部会(省庁)横断会議を開いたり、海外を視察したり検討を重ねるべきで、これに半年間はかかると試算。また、馬祖に水道、電力、ガソリンを台湾本島から輸送するにはコストがかかるが、大陸(中国)から調達するなら国防問題が絡んでくると指摘し、連江県だけでは対応できないため、中央政府が協力することになると語った。
商機400億元以上も
連江県政府に開発を約束している米ウェイドナー・リゾート・デベロップメントの台湾法人、台湾懐徳聯合開発のウィリアム・ウェイドナー総裁は、中国に近いため中台双方の観光客を呼び込め、澎湖より条件がいいと喜びを表明した。同社の計画によると、就業機会3,500~5,000件を創出し、世界各地から年間450万人が訪れ、155億1,000万~414億6,000万元の消費が見込まれる。
ウィリアム・ウェイドナー台湾懐徳聯合開発総裁(右)は、馬祖を「アジアの地中海」にすると意気込んだ(7日=中央社)
台湾の離島では、澎湖(澎湖県)もかつてカジノ推進を推進しようとしたが、2009年9月に行われた住民投票では反対多数で見送りが決まった。しかし同県では今年9月以降に住民投票の再実施が可能で、今回の馬祖の住民投票の結果に影響を受ける可能性がある。
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