ニュース 電子 作成日:2012年7月11日_記事番号:T00038200
11日付電子時報によると、ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の下半期受注は上半期ほど楽観できず、一部の製造プロセスは設備稼働率が目に見えて低下し始めたとの観測が業界で飛び交っている。同社が10日発表した6月連結売上高は前月比1.6%減に転じ、過去最高の連続更新はならなかった。上半期の在庫水準上昇、第3四半期のパソコン、液晶テレビ、セットトップボックス(STB)の世界需要見通しの不透明感から、内外の半導体メーカーに広がる慎重姿勢を映し出した格好だ。
海外のマイコン(MCU)大手は、受注見通しが従来の2~3カ月から1カ月以内にまで急低下しており、第3四半期需要は「非常に普通」で需要期らしさが感じられないと指摘した。最終製品市場の需要の弱まりで第2四半期のうちに在庫が積み上がり、半導体メーカーはファウンドリーに対するウエハー発注に慎重になっている状況だと指摘した。
台湾のIC設計会社も、半導体メーカーは上半期のうちに下半期の需要分まで在庫を蓄積してしまったと指摘した。現在、TSMCの28ナノメートルプロセスの設備稼働率は100%近いが、その他は8インチウエハー工場も含め、第2四半期半ばから落ちており、12インチ工場も第3四半期にピークを迎え、下がり始めるとの予測を示した。これは、新学期、中国の国慶節(10月1日)連休、ブラックフライデー(感謝祭翌日)から始まるクリスマス商戦などの消費者の購買意欲に対し、業界が慎重視していることが背景にあるという。
Q3増収幅、5%止まりか
TSMCの6月連結売上高は、前月比1.6%減の434億2,700万台湾元(約1,150億円)で、2月から続いていた成長がストップし、過去最高更新も4、5月の2カ月で途切れた。第2四半期連結売上高は前期比21.4%増の1,280億6,000万元で、前回の業績説明会で示した予測1,260億~1,280億元を上回った。
証券会社はTSMCの6月小幅減収は、顧客が一部の出荷を第3四半期に回したこと、および生産ラインの調整が主因で、第3四半期にはスマートフォン、タブレット型PC、ウルトラブック(超薄型軽量ノートPC)の需要期となり、出荷も正常化するとの予測を示した。ただ外資系の証券会社は、TSMCは第3四半期に前期比5%の増収にとどまり、例年と比較すると需要期なのに振るわないとの見方が多勢だ。
ASMLの設備開発、出資を検討
なお、半導体製造装置大手、オランダのASMLが18インチウエハー対応と極紫外線(EUV)露光装置の共同開発に向け、最大25%の出資受け入れ計画を発表し、半導体世界最大手の米インテルが15%の出資を発表したことに関し、TSMCはASMLから打診を受けたことを認め、検討中だと表明した。
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