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応募期間はわずか3時間、職員の息子入社でコネ疑惑


ニュース 社会 作成日:2012年7月12日_記事番号:T00038201

応募期間はわずか3時間、職員の息子入社でコネ疑惑

 台中市の公的機関、大里地政事務所(土地行政事務所)でこのほど、臨時職員の採用活動が行われた。しかし、この求人に対し申し込みが可能な時間は実質わずか3時間だった上、応募者はたった1人、合格したのは職員の息子だったことが明らかとなり、激しい非難の声が上がっている。

 同事務所が測量助手の採用情報をホームページ上で公布したのは6月29日金曜日の午後3時。申し込みの締め切りは週明けの7月2日月曜日午前9時と記載されていた。受付は午前8時〜午後5時の業務時間内に限られるため、実際に申し込みができるのは金曜日の2時間、月曜日の1時間だけだ。

 応募するには書類をそろえる必要があるため、事前に情報を入手していない限り申し込みはほぼ不可能な状態で、同事務所が職員の身内を採用するためにわざと仕組んだとの見方が強い。

 これに対し大里地政所の楊政儒主任は、「事実を知ったのは最近で、わたしも驚いた」と語り、採用プロセスに問題があったことは認めたものの、「主任の3親等以内の親族を採用してはならない」との規定はあるが、一般の職員に関しては制限はなく、合格者の父親である職員は測量員のため違法ではないと説明した。

 なお、申込期間が短すぎるとの指摘に対して同事務所は「単なるミス」と回答した。なぜこの職員の息子だけが応募できたのかとの疑問には、「恐らく公布後に職員が知って、息子に知らせたのだろう」とコメントし、この人物を合格させるために故意に仕組んだことではないと強調した。規定には反していないため、採用のやり直しや担当者の処罰などは考えていないそうだ。

 東海大学行政管理・政策学系の邱瑞忠副教授は、「処罰規定が無いことをいいことに、わざと『ミス』を犯して特定の人物を採用するやり方は、地方の機関ではよくあることだ」と指摘している。

 しかし公的機関の採用が私物化されているような状況に、ネットなどでは批判が噴出しており、同事務所ホームページの掲示板は怒りのコメントが殺到して閉鎖に追い込まれた。今回の騒動をきっかけに、地方のコネ採用を規制する動きが高まりそうだ。