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元太、シャープと相互ライセンス


ニュース 電子 作成日:2012年7月13日_記事番号:T00038251

元太、シャープと相互ライセンス

 元太科技(イーインクホールディングス)は12日、同社と韓国子会社ハイディスが、シャープとの間で液晶パネル生産に関する特許権の10年にわたるクロスライセンス契約を締結したと発表した。証券会社は、年内発売を観測されるアップルのスマートテレビ「iTV(通称)」のパネルをシャープが受注してハイディスの広視野角FFS技術が採用され、元太に特許使用料収入をもたらすと好感した。13日付経済日報などが報じた。


劉董事長によると、ハイディスのFFS技術関連特許は1,500項目を超える(12日=中央社)

 元太のニュースリリースによると、相互ライセンス契約は、TFT液晶ディスプレイ(LCD)関連製品を生産する際に相互の特許技術を使用できるという内容。契約で取り決めた特定の特許技術を使用する際に使用料を支払う必要がある。契約期間は双方の間で「特許の平和(Patent Peace)」が保たれ、それぞれが顧客を含め特許権に煩わされることなく業務や開発に専念できる。

 劉思誠董事長は、12日に国際ファクスで契約を交わし、今年4月1日に遡及して発効すると説明した。特許使用料の計算方法、支払い時期については守秘義務があるとして明かさなかった。FFS技術は、低消費電力、高透過率、画面が波打たないという特性があり、応用範囲はここ数年でスマートフォン、タブレット型パソコンなどハイエンドのモバイル電子製品まで広がり、将来はノートPC、テレビまで拡大すると語った。

ハイディス効果で再生図る

 FFS技術は、経営破綻したハイディスを買収した元太が2009年12月、LGディスプレイ(LGD)に供与し、アップルのタブレットPC「iPad」に採用された。

 華南証券投資顧問の儲祥生董事長は、シャープがアップルiTV向けパネルを受注すれば、ハイディスからFFS技術の供与を受けることになるため、iTV出荷が増えるほど、元太に多額の使用料収入が舞い込むと相互ライセンス契約のメリットを指摘した。

 元太はもともと、第2.5世代工場を1基しか持たない台湾で最も小規模なパネルメーカーだったが、7年前に電子ペーパー(EPD)メーカーに転向し、今や世界市場シェア9割を超える最大手だ。しかし、電子ブックリーダー市場がタブレットPCに押される中、今年上半期の連結売上高は83億1,400万台湾元(約220億円)と、前年同期比で51.13%もの減少に見舞われた。