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「働いてタダで宿泊」旅行、現実は甘くなかった


ニュース 社会 作成日:2012年7月16日_記事番号:T00038255

「働いてタダで宿泊」旅行、現実は甘くなかった

 日本のテレビ番組「田舎に泊まろう!」が台湾でも放映されて人気を博していることもあり、民宿などでアルバイトをする代わりに無料で宿泊させてもらうという旅行を体験する大学生やバックパッカーが増えているようだ。そこで蘋果日報の記者がこのほど、身分を隠して同様のアルバイトを体験取材した。しかし、楽しそうに聞こえるこのバイト、実際は大変キツイもので、記者はわずか2日間の体験で「早く帰りたい」と音を上げた。

 同記者がアルバイト先として選んだのは南部の有名リゾート地、墾丁(屏東県)のスキューバダイビング訓練センターと民宿。1日目に泊まったスキューバセンターでは、午前8時にアルバイトとして登録し、施設についての説明を受けた後、さっそく仕事開始。

 到着した20人の団体客のために酸素ボンベを運ぶ、装備を洗う、掃除、弁当の予約、さらにダイビングを楽しむ客を炎天下で撮影するなど仕事は絶え間なく続く。客が海から上がった後も、プレハブ小屋にボンベを運び酸素を詰める。熱気が充満したこの部屋の室温は42度にも達し、体が溶けそうだったという。

 約6時間の仕事を終えると、業者から「潜水道具を使って潜ってもいい」と言われたが、疲れ過ぎてそんな気にはならず、食事を取った後、すぐに事務所の床に横になった。

 2日目に泊まった民宿から頼まれた仕事は、台湾最南端の観光スポット「鵝鑾鼻灯台」の駐車場でのチラシ配り。この日は快晴で気温37度に達し、その中で300枚のチラシを配る必要があり、記者が用意した日焼け止めも役に立たなかったそうだ。その後もレストランやお寺、水族館などでチラシ配りは続いた。すべての仕事を終え、海を見つめながら記者がつぶやいた言葉は「暗いし暑い。早く墾丁から離れたい」だった。

 テレビ番組なら、豪華な食事や至れり尽くせりの歓待を受け、「一宿一飯の恩義」に簡単な手伝いをして涙のエンディング──。当然ながらこんな甘い話はないようだ。