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3.5Gデータカード、広達・華碩が進撃


ニュース 電子 作成日:2007年11月19日_記事番号:T00003833

3.5Gデータカード、広達・華碩が進撃

 
 中国深センの通信機器メーカー、華為技術が独占状態の3.5Gデータカード市場に、広達電脳(クアンタ・コンピュータ)、華碩電脳(ASUS)が進撃を開始した。3.5Gカード市場はサービス拡大に伴い来年より本格的な市場拡大が見込まれ、中台大手による受注の綱引きも激しさを増しそうだ。19日付工商時報が報じた。
  
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台湾大哥大の3Gデータカード(同社HPより)
 
 台湾大哥大(タイワン・モバイル)は18日、広達に3.5Gカードを発注したことを明らかにした。発注量や金額の規模は不明。広達は台湾メーカーとして初めて、携帯キャリア大手3社に高速データカードを提供することになる。

 中華電信は現在、華碩と広達生産による3.5Gカードのテストを行っており、第1段階の認証が終了したという。同社は台湾メーカー育成の立場から、来年まず華碩に発注を行うと伝えられている。

 中華電信、台湾大哥大、遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)の3大キャリアは、これまで3.5Gカードはすべて華為に発注しており、累計発注量は約20万枚。中華電信は先週新たに3万枚、金額にして約2億台湾元(約6億8,000万円)の追加発注を行った。20万枚のうち、中華電信の発注は8万枚以上、約5億元に上る。華為は3G/3.5Gデータカードの累計販売枚数が500万枚以上、世界市場首位のシェア35%を占めており、特に3.5Gではこの1年余り市場を独占している。
 
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技術・価格で追い付く
 
 華為のリードは先に開発を行った先行メリット、および価格の安さによるものだが、台湾各メーカーはこのところ技術水準で追い付き、価格も華為より数十米ドル安い水準を打ち出しており、華為の価格競争力は既に失われている。このため、来年は華為の独占状態が崩れるとみられる。

 一昨年末に中華電信が初めて3.5Gカードの発注を行った際、多くのメーカーが1枚1万元前後の受注水準で争い、最終的に華為が7,000~8,000元で受注した。市場での販売価格は、中華電信の補助により5,990元となった。

 最近は低価格競争が激しくなっていて、遠伝が3,990元まで価格を下げたことにより、中華電信も先週、4,990元から3,990元への値下げを行った。 

 また、台湾大哥大は広達との提携により、毎月の利用料699元でカードの価格は0元という価格破壊プランを来月の資訊月(インフォマンス)の際に打ち出すもようで、競争のさらなる激化が予想される。 

2年間で100万枚発注

 これまで、価格の高さやカバー率の低さ、断線が頻繁だったこともあって、3大キャリアによるデータカードサービスの利用者は10万件に満たなかった。しかし、遠伝が2年以内に3.5Gサービスの利用者100万件の目標を打ち出すなど、来年以降は需要の大幅拡大が見込め、中華電信や威宝電信(ビボテレコム)、亜太電信(アジア・パシフィック・テレコム)などが大量調達を計画している。 

 各通信キャリアによる今後2年の発注量は100万枚に上るとみられ、広達、華碩の台湾勢の出荷も来年からの伸びが期待できそうだ。