ニュース 電子 作成日:2012年7月20日_記事番号:T00038383
ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長は19日、2013年第1四半期から20ナノメートル製造プロセス製品の出荷を始めると発言した。また、14~15年には16ナノプロセスでも認証を取得する考えを表明した。業界ではサムスン電子などの追い上げが観測されているが、張董事長は、今後もリードを保ち、顧客に真っ先に選ばれる企業であり続けると自信を示した。20日付経済日報などが報じた。
張董事長は、今年末に20ナノプロセスで顧客の認証を取得し、来年第1四半期から出荷、14年にかけて応用範囲が広がると語った。今年4月時点では来年末の20ナノ受注を表明していたが、このほど試験生産を8月に始めるとの観測が浮上したところだった。
張董事長はまた、引き続き16ナノプロセスまで微細化を進め、サムスン電子、グローバルファウンドリーズ(GF)、聯華電子(UMC)などに対するリードを守ると語った。
技術に投資惜しまず
同社は現行の最先端プロセス、28ナノプロセスが供給不足に陥るほど強い需要を得ている。28ナノの第2四半期出荷量は前期比99%とほぼ倍増し、売上高に占める割合も前期の5%から7%に拡大した。第3四半期には出荷量がさらに倍増し、増収部分の8割を占めると予測。年末には売上構成比が20%に達する見通しだ。28ナノの粗利益率は第4四半期に同社平均水準まで向上する見込み。来年第1四半期には顧客の需要を完全に満たせるまでに生産能力を増強できるとしている。
こうした技術面のリードを守り続けるため、設備投資に多くの資金を投じる戦略は10年以降変わらず、今年80億~85億米ドルの計画に変更はない。これにより、10~15年税引前利益の年平均成長率(CAGR)は10%を超える見通しだ。
来年Q2、急成長
TSMCが同日の決算説明会で発表した第2四半期の連結売上高は前期比21.4%増、前年同期比15.9%増の1,280億6,000万台湾元(約3,400億円)で過去最高となった。第3四半期も1,360億~1,380億元を目標に過去最高の更新を狙う。第2四半期の粗利益率は前期比0.9ポイント上昇、前年同期比2.6ポイント下落の48.6%。純利益は前期比24.9%増、前年同期比16.3%増の418億1,300万元だった。上半期の連結売上高は前年同期比8.2%増の2,335億6,900万元、純利益は同3.7%増の751億3,400万元だった。
張董事長は、第4四半期から来年第1四半期にかけて最大2けたの減収もあり得るが、在庫調整の時期に当たるためで、世界金融危機の影響を受けた08年ほど深刻でないと強調した。そして、来年第2四半期には急成長すると自信を見せた。
一方、今年の半導体の世界生産額は1~2%成長にとどまると、従来予測の2%成長から下方修正した。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722