ニュース 社会 作成日:2012年7月27日_記事番号:T00038488
「始まるぞ、静かに!」――26日夜8時ごろ、台東県の山間部にある小さな村の雑貨店に村民ほぼ全員が集結してテレビ画面を見守っていた。実はこの村では、念願のプールとリハビリ施設の建設を実現しようと村民が資金を持ち寄って宝くじを買うという作戦を思い立ち、実際に購入。当せん発表の時を迎えたのだった。
この計画を実行したのは先住民ブヌン族が多く暮らす台東県延平郷桃源村。村長によると、村の子どもたちがいつも川で泳いでいるが、親は危ないと心配でたまらない。その上、村の老人はリハビリのために病院に通うには交通費約1,000台湾元かけて下山しなければならない。
このため、村民から「プールとリハビリ施設さえあれば」という声が挙がっていた。しかし台東県にも延平郷にも予算に余裕はないことを承知しているため、県や郷に陳情を行ったことはなく、村内で夢を語り合っているだけだった。
そこで村長が「みんなでお金を持ち寄って宝くじに賭けてみるのが一番の近道なんじゃないか」と思い立ち、さっそく村民に呼び掛けたところ、全300世帯のうち243世帯が出資を申し出たという。
村長は27日の夕方、1世帯当たり200元で集めた計4万8,600元を握り締め、5キロメートル以上離れた宝くじ販売店に出陣。その店は過去に11億元の当せんを出したこともある「ラッキー店」だ。全資金を投じて1等賞金12億元の宝くじ486枚を購入し、希望に胸を膨らませた村民の待つ村へと帰った。
その後、当せんの喜びを分かち合うため雑貨店に集結した村民たちは、「12億元当たったらプールとリハビリセンターを建てて、残りは山分けしよう」などと大盛り上がり。
いざ当せん発表──。結果は下3けた一致で賞金100元の当せんが2枚のみ。村民たちの夢は残念ながらかなわなかった。これで本当に当せんしていれば、映画にでもなりそうな話だが、現実はそんなに甘くはなかったのだった。
200元の当せんでも「どうやって山分けしよう」と村民たちはあくまで明るい(26日=中央社)
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