経済部は19日、省エネルギーおよび温室効果ガス排出削減を推進するため、白熱電球の2012年での使用全廃を発表した。今後、省エネ型電球や発光ダイオード(LED)照明への全面的な切り替えを進める。次世代の重要産業としての地位を確立しているLEDにとって、新たな政策的恩恵となる。20日付経済日報などが報じた。
同方針は葉恵青経済部エネルギー局長が、政府の産業科学戦略会議で発表した。白熱電球の廃止はまず政府・公共部門から着手し、09年第1四半期までにLED照明に全面的に切り替える。その後、住宅のほか、ホテル、病院、大型売り場などの民間産業でも白熱電球の使用を段階的に禁止し、12年末までに全廃する。白熱電球の生産自体も10年以降に終了させる。
白熱電球の昨年の域内販売量は2,075万個、今年も2,000万個台を維持し、発電量は10億4,000万キロワット時(kWh)に相当する。
葉局長によると、LED照明は12年より大量商品化が始まる。信号機や景観照明、非主要道路の水銀灯などを25年末までに全面的に切り換えることによって、年間で37億8,000万 kWhの電力消費削減が可能となり、削減率は41%に上る。
世界シェア、15年時に23%
白熱電球の全廃は、域内LED産業にとっては市場拡大の好材料となる。現在、域内では晶元光電(エピスター)、億光電子(エバーライト・エレクトロニクス)、東貝光電科技(ユニティ・オプト・テクノロジー)、宏斉科技(ハーバーテック)、フォルモサ・エピタキシーなどの企業がLED照明に参入しており、一般照明から、カーエレクトロニクスやディスプレイなどへの応用に取り組んでいる。
工業技術研究院能源環境研究所の胡耀祖副所長によると、現在域内LEDメーカーは上下流合わせて200社あまり、生産額は年211億台湾元(715億円)に上っている。光源部分の生産量はすでに世界一で、照明モジュール産業が順調に発展すれば10年段階の生産額は930億元で世界シェア14%、15年段階では生産額5,400億元、世界シェア23%を占めるに至る。
域内の信号機は現在、LEDへの全面切り替えが進行中で、すでに135万カ所の切り替えが終了した。今後3年間で新たに43万カ所の切り替えが進む。
廃止は世界的潮流
白熱電球廃止の動きは世界各国に広がっている。
オーストラリアは今年2月、3年以内に白熱電球の使用を段階的に禁止することを発表。欧州連合(EU)も3月、10年までに域内での白熱電球全廃を決めた。カナダも12年までに白熱電球の段階的な販売停止を進める。