ニュース 社会 作成日:2012年8月3日_記事番号:T00038589
台風9号(アジア名・サオラー)来襲により、2日は台東県を除いて台湾全土が臨時休暇となった一方で、ハンバーガーやピザなどのファストフードチェーンは依然、宅配サービスを継続したため、従業員が大雨や強風で危険な中を配達しなければならないという状況に、インターネット上で「台風の日に宅配を頼むのはやめよう」といった呼び掛けが行われ、議論が巻き起こった。
あるマクドナルドの店員によると、台風接近を受けて風雨が強まった1日夜、外へ出かけたくない消費者からの注文が殺到し、対応し切れない状況となったという。これを受けてその店の店長が本社に対策を仰ぎ、同日午後10時ごろに宅配サービスの停止を決めた。しかし、それは店員が10回以上、配達を行った後のことだった。
こうした状況に、あるネットユーザーが「台風の日に宅配を頼むのはやめましょう。とても便利だけれど…他の家の子供も人の子です」という呼び掛け文を掲載すると、これが1日の転載数が4万件に上るほどの話題となった。
また郝龍斌台北市長も、できるだけ宅配を頼むのは控えるよう呼び掛け、さらに同市広報は「配達員は夏休み期間中の学生アルバイトが多い。業者は配達員の安全に配慮すべきで、事故が起きた場合は責任を追及する」と表明した。
これを受けてファストフードチェーンは2日、相次いで宅配サービスを停止。これら業者は、台風の来襲で期待された30〜50%の売上増もなくなった。
「台風の日に宅配はやめよう」の呼びかけには、大部分のネットユーザーが賛意を示したものの、一部では「商売の邪魔をするな」「業者に配達員の安全確保を要求すればいいだけで、消費者に頼むなと言うのはおかしい」などと疑問を呈する指摘も聞かれた。
こうした騒動があったためかマクドナルドは2日夜、「今後は政府が公共機関・学校の休業を発表すれば、宅配サービスも停止する」との方針を表明した。「0か100か」ではなく、安全を最優先した上で臨機応変に対応してもよいと思うのだが、マニュアル化が必要な大手チェーンともなるとなかなか難しいのか。
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