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台湾の液晶TV受託、初のマイナス成長へ


ニュース 家電 作成日:2012年8月7日_記事番号:T00038666

台湾の液晶TV受託、初のマイナス成長へ

 台湾受託生産メーカーによる液晶テレビの出荷台数が、今年初めてマイナス成長に陥る見通しだ。市場調査機関、ウィッツビューは6日、2012年予測を前年比13~16%減の3,700万~3,800万台に下方修正した。韓国ブランドが順調にシェアを伸ばす一方、台湾受託メーカーの主要顧客、日本ブランドは自国経済の低迷や円高で競争力が弱まり、世界シェア25%を割り込む恐れがあるためだ。ウィッツビューは、世界景気が好転しなければ再度の引き下げの可能性もあると警告した。7日付蘋果日報などが報じた。

 ウィッツビューは同日、液晶テレビブランドの12年世界出荷予測も前年比3.2%増の2億700万台へと、6月(2億1,700万台を2億1,400万台に)に続いての下方修正を行った。台湾受託メーカーの第2四半期出荷台数は前期比12.5%増の858万台で、第3四半期は25%増の予測だ。

コンパル・ペガトロンのみ成長

 台湾受託メーカーの今年の出荷は、東芝とパナソニックを顧客とする仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)、和碩聯合科技(ペガトロン)以外はマイナス成長に陥りそうだ。ただ、鴻海科技集団(フォックスコン)はソニーの受注を確保しているほか、第10世代液晶パネル堺工場(堺ディスプレイプロダクト=SDP、旧シャープディスプレイプロダクト)への出資でシャープに加え、ビジオの60インチ以上の機種を受注できそうだ。一方、冠捷科技(TPVテクノロジー)はフィリップス、瑞軒科技(アムトラン・テクノロジー)はビジオからの受注確保で、日本ブランド低調の影響は小さい見込みだ。

 下半期の先行き不透明感から、日韓大手ブランドでは出荷目標の下方修正が相次いでいる。サムスン電子は5,000万台を4,000万台に、LGエレクトロニクスは2,600万台に引き下げた。ソニーは1,550万台、シャープは800万~900万台とする計画だ。韓国ブランドが世界シェアを30%台に乗せたことで、日本ブランドは従来30~34%あったシェアを11年には29%まで低下させており、今年はさらに22~23%へと一段と縮小が進む見通しだ。

中国受託メーカー台頭も脅威

 劉陳宏ウィッツビュー研究協理は、中国の中堅以下の受託メーカーの台頭も台湾受託メーカーにとっての脅威だと指摘した。

 中国政府の省エネ家電購入に対する補助金政策によって、中国ブランドの世界シェアは日本ブランドを超える可能性さえある。中国受託メーカーはこの恩恵を受けて、世界シェアを今年13.4%(10年9.9%)へと高め、台湾受託メーカーに迫ろうとしている。

【図】