ニュース 社会 作成日:2012年8月14日_記事番号:T00038772
台湾鉄路(台鉄)の特急「自強号」が、乗客を強い電磁波にさらしている恐れがあることが、蘋果日報と新竹高級工業職業学校が先週行った調査で明らかになった。走行中の場合で、一部の車両内の電磁波測定値が、環境保護局(環保局)が定める基準値の少なくとも1.4倍に達したのだ。通勤や通学に使う乗客の間からは「乗るとめまいがする」などの声も上がっており、専門家は「(電磁波の強い)変電所と同レベル」と懸念を示している。
電磁波測定調査は、板橋(新北市)〜苗栗(苗栗県)間で、台湾高速鉄路(高鉄)と台鉄の特急「自強号」など計6車種を対象に行われた。停車時はいずれも環保局の基準値を下回ったが、加速するに従い上昇。最悪だったのは普通列車に使われる「500型区間車」と、自強号の「EMU1200型」で、測定器上限の1,999ミリガウスを超えて針が振り切れ、少なくとも環保局基準値の1.4倍に達したのだった。
「500型区間車」4両編成の場合、電力システムを持つ中間車両(EP型)の中央ドア付近の座席足元が1,999ミリガウス以上と高かった一方、動力・電力システムを持たない中間車両(ET型)は200ミリガウスにとどまった。
500型区間車の女性専用車両には、通常動力システムを持つ先頭車両(EMC型)が充てられる。このため測定に参加した新竹高工の教師、何永龍氏は「妊婦などへの影響を考え、女性専用車両は動力システムのない車両に設定すべきだ」と主張した。これに対し環保局は「過去の調査で基準超えはなかった。今後確認されれば台鉄に改善を求める」と表明した。台鉄は「電磁波を防御する素材の研究を進めているが、導入日程については未定だ」と説明した。台鉄の内部調査でも発車時の電磁波の瞬間値が上昇することは確認してていたが、「懸念するほどではない」と判断されたという。女性専用車両を別の車両に変更するかについては改めて検討するとしている。
今回の調査は、新竹高工の教師らが通勤の際に車内でめまいを感じたことがきっかけとなった。電磁波はがんや白血病、流産などとの因果関係の可能性も指摘されている。同校に通う学生の楊謹慧さんは、「これから台鉄に乗るときは、安全な場所を選びたい」と話している。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722