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中科二林、精密機械メインに確定


ニュース 機械 作成日:2012年8月14日_記事番号:T00038797

中科二林、精密機械メインに確定

  行政院国家科学委員会(国科会)の朱敬一主任委員は13日、中部科学工業園区(中科)第4期二林園区(彰化県二林鎮)開発の主軸を光電産業から精密機械産業に変更する計画が閣議決定したと発表した。あす15日開催の説明会には鴻海科技集団(フォックスコン)、上銀科技(ハイウィン・テクノロジーズ)などが参加する予定で、100社以上が進出意欲を示している。順調にいけば来年上半期に供用を開始する。14日付経済日報などが報じた。

 中科二林園区は2008年当時、友達光電(AUO)が液晶パネル第10、11世代工場を建設し、台湾最大のパネル産業クラスターに発展すると見込まれていたが、水源確保や環境問題から開発が遅々として進んでいなかった。

 今年2月の就任後から中科二林園区開発計画の修正に着手した朱主委は、経済環境の変化や地元の発展、産業界のニーズや環境問題など各方面の意見を取り入れて、工業用水は従来計画の8分の1、工業排水は同6分の1に抑えると強調し、これが永続的発展が望める最善案だと語った。

 楊文科・中科管理局長は、早ければ9月にも環境差異分析報告を行政院環境保 護署(環保署)に送り、年内に環境影響評価(環境アセスメント)が審査を通過する見通しだと語った。

精密機械、3社に1社

 最新の進出企業募集は、精密機械産業の割合が35%と従来の10%から大きく引き上げられた。バイオテクノロジーは15%(従来10%)、グリーンエネルギーは10%(同10%)。ウエハー製造を除く半導体も20%へと従来の2倍に拡大した。一方、液晶パネル製造を除く光電材料、部品、バックライトモジュールなど光電産業は従来の60%から20%に大きく引き下げられた。

 楊管理局長は、ハイウィンが後工程工場を建設する可能性があるほか、高峰工業(kafo)、和大集団も進出意欲を示しており、新光集団の新科光電は用地40ヘクタールを申請したと述べた。工作機械の業界団体、台湾区機器工業同業公会(TAMI)の協力を得た結果、慶鴻機電工業(CHMER EDM)、程泰機械(グッドウェイ・マシン)など100社以上が投資意欲を示しており、投資総額は500億~800億台湾元(約1,300億~2,100億円)に上ると試算を示した。

 徐秀滄TAMI理事長は、台湾の精密機械産業が今年の生産額1兆元を見込めるほど世界で存在感を示せるのは、サプライチェーンが整っているおかげだと指摘した。中科二林園区の開発予定地の近辺には、大甲幼獅工業区(台中市大甲区)など5つの工業団地が集まり、精密機械産業クラスターを形成している。これまでは用地不足から南に約100キロメートル離れた大埔美園精密機械区(嘉義県)に工場を建てるしかなかったが、遠すぎる懸念が二林園区の誕生で解消される見通しだ。

【図】