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台中予備校の生徒獲得競争、仁侠映画そのもの


ニュース 社会 作成日:2012年8月15日_記事番号:T00038798

台中予備校の生徒獲得競争、仁侠映画そのもの

 少子化が進み競争が激化する台中の予備校業界で、生徒を確保するため暴力団員を使ってライバル塾の授業を妨害したり、人気講師を生徒の目の前で拉致するなど、仁侠映画さながらの抗争が繰り広げられている。

 台中市で予備校「中儒林」を経営する有名数学講師の卓澔(本名・李慎広)容疑者(44)は、かつて同じく人気講師の魏宏泰さん、張鎮麟さんとともに「儒林グループ」を結成。台中市内に「中儒林」、「小儒林」、「儒林」、さらに台北市に「力誠」という名の予備校を相次いで開設した。

 しかし報酬アップが認められなかったことから、卓容疑者は3年前に他の2人と決別。「中儒林」の株式を取得してその経営者に収まり、魏さん、張さんが残り3つの塾を運営することになった。

 その後、「中儒林」で生徒が思うように集まらなかったことから、卓容疑者は暴力団員に協力を依頼。仲間20人以上を引き連れて「力誠」の魏さんの教室に乗り込み、生徒200人の前で騒ぎを起こして授業を妨害した。さらに翌月にも暴力団員風の男4人が借金の回収と称して訪れ、生徒400人の前で魏さんに「お前の自宅は分かっているんだ。手や足を折るぞ」などと脅したという。

 また卓容疑者は今年4月、仲間に指示して台中の「何明」予備校で教える人気数学講師、黄仲良さんを授業中に拉致し、「何明」で授業をしないよう迫ったとされる。黄さんは身の危険を感じ、別の塾へ移ったが、そこにも暴力団員風の男が現れ「協力」を約束する契約書にサインを求められた。

 こうした状況から警察が動き出し、卓容疑者のほか共犯とみられる数人が逮捕され、「組織犯罪防制条例」違反などの容疑で送検された。

 業界関係者によると、少子化と大学合格率の高さから、中部地区の予備校市場の規模はかつての5,000人から1,000人まで縮小しており、各校の間では脅迫状を送りつけたり、自動車を突っ込ませたりと暴力団まがいの抗争が横行しているという。