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台風時に避難するコンビニ、費用かさみ悲鳴


ニュース 社会 作成日:2012年8月23日_記事番号:T00038955

台風時に避難するコンビニ、費用かさみ悲鳴

  新北市三重区にあるのみの市、重新橋観光市集内にあるコンビニエンスストア「萊爾富(ハイライフ)美堤店」は、台風来襲などの際に店舗を丸ごと避難させることのできる台湾唯一のコンビニとして知られる。ただ、店舗の撤去には高い費用がかかり、特に今年は既に3度も避難を強いられており、経営者は頭を抱えている。

 重新橋観光市集は、増水時に水を逃がすための放水路内に位置することから、ハイライフ美堤店は、その設置に当たって危険性を懸念する新北市水利局からの同意がなかなか得られなかった。しかし、1時間半以内に撤去できることを実演して証明し、ようやく許可を受けて昨年10月にオープンした。

 同店舗は3つのコンテナを組み合わせたもので、いったん台風警報や洪水警報が出れば、1時間半以内に商品や冷蔵庫などをすべて運び出し、最後にコンテナをクレーンで吊り上げて安全地帯に移動させる。

 こういった撤去作業にかかる費用は通常、1回につき30万〜40万台湾元で、夜間に警報が発令された場合は約3割増しとなるそうだ。

 今年は豪雨となった6月12日、台風5号(アジア名・タリム)が来襲した同月19日、台風9号(同サオラー)が来襲した8月初め、と3度避難しており、かかった費用は総額100万元を超えた。しかも現在、2つの台風が接近中のため、また避難しなければならない可能性が高い。

 しかし同店は小さいながら、現金自動預払機(ATM)がないことを除けば一般の店舗と変わらない設備やサービスを提供しており、客に重宝されている。このため避難コストは高くつくものの、今後も営業を続ける方針だ。