ニュース その他製造 作成日:2012年8月23日_記事番号:T00038979
聯華電子(UMC)は22日、傘下の太陽電池事業の投資を景気が上向くまで見送ると表明した。先ごろ、台湾積体電路製造(TSMC)が太陽電池最大手、茂迪(モテック・インダストリーズ)への出資を適当な時期に引き揚げる考えを示したばかり。ファウンドリー大手2社が相次いで消極姿勢を示したことで、太陽電池業界の苦境が改めて浮き彫りとなった。23日付経済日報などが報じた。
UMCは傘下に、▽薄膜太陽電池の台湾最大手、聯相光電(ネクスパワー・テクノロジー)▽結晶シリコン太陽電池メーカー、聯景光電(トップセル・ソーラー・インターナショナル)▽中国山東省の太陽光発電システム、太陽光発電所──などを擁し、太陽電池産業に参入した台湾大企業の中でも指標的な存在だ。
UMCは、太陽電池産業の景気が良くないため、ネクスパワーとトップセルの生産能力増強計画を保留し、景気が回復してから実行すると表明した。投資事業を処分する考えはなく、各子会社はすべて事業を継続すると強調した。
本業不振で手控え
UMCの太陽電池事業は赤字が続いている。グリーンエネルギー、発光ダイオード(LED)市場に参入するため、2009年10月に100%出資で設立した聯電新投資事業は第1四半期に2億6,200万台湾元(約6億9,000万円)の損失を出した。44.16%を出資するネクスパワーは2億3,600万元の赤字で、UMCは1億400万元の投資損失を計上した。UMC100%出資の投資会社、弘鼎創投と宏誠創投が各8.8%出資するトップセルは3億3,700万元の損失を計上した。一方、太陽電池販売拠点、山東省の永盛科技は652万元、太陽光機電統合サービスの聯発山東光伏能源も39万6,000元と、小幅ながら利益が出ている。
証券会社は、ネクスパワー、トップセルが今年通年で利益を出せる可能性は低く、UMCに投資損失がのしかかってくると指摘した。本業の半導体業界で不振の情報が聞こえ始めたことが、UMCが太陽電池事業拡大の見送りを決断した理由だと分析した。
市場調査機関、エナジートレンドによると、太陽電池関連メーカーは9月受注も散々で、値下げ圧力が広がり、第3四半期も赤字が免れない見通しだ。
景気の冬越え、資金力が鍵
TSMC、UMCのほか、大企業が投資する太陽電池関連メーカーは、▽台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)出資の旺能光電(デルソーラー)▽英業達(インベンテック)出資の益通光能(イートン・ソーラーテック)▽宏達国際電子(HTC)の王雪紅董事長が個人名義で出資する昇陽光電科技(ソーラーテック・エナジー)──などがある。
証券会社は、資金力のある大企業は景気低迷時も投資事業を手放さず、じっと耐えて「景気の冬」を越そうとするので、結果として淘汰されずに生き残ると指摘した。
IC設計、微駆科技(エクスプロア・マイクロ・エレクトロニクス)の呉金栄総経理は、太陽電池市場は供給過剰で中国の多結晶シリコンウエハー最大手、江西賽維(LDKソーラー)までも経営難に陥っているが、企業のM&A(合併・買収)、工場閉鎖を経て13年には需給が均衡し、14年から産業発展が見込めるとの予測を示した。
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