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低価格スーパー、市場の勝ち組に


ニュース 商業・サービス 作成日:2012年8月24日_記事番号:T00039007

低価格スーパー、市場の勝ち組に

  量販店やスーパーマーケットの中でも、特に低価格を売りにした店舗形態が勢いを増している。米系会員制量販店、コストコ(好市多)は30日、台湾最大の4,600坪の売り場面積を誇る桃園店をオープンする。格安スーパー、全聯福利中心は年初来の売上高が量販店最大手のカルフール(家楽福)を超えている。背景には、中所得の消費層に低価格志向が強まった結果、いわゆる「下流消費層」の規模が拡大していることがある。24日付経済日報などが報じた。


量販店の密集する激戦区に乗り込むコストコ桃園店。ブルガリの高級時計約3割引などで、開店初日の来店1万人、売上高2,500万元を見込む(23日=中央社)

 コストコは昨年、わずか8店舗で前年比10%増の450億元を売り上げた。一方、従来型量販店のカルフール、大潤発(RTマート)、愛買(aマート)は3社合わせて95店を擁するものの、売上高は1,200億元で同3~5%の伸びにとどまった。

 全聯は台湾津々浦々に630店以上を展開し、同12%増の620億元を売り上げた。美廉社(シンプル・マート)を合わせれば格安スーパーは820店で、売上高は同10~20%増の700億元だ。一方、頂好超市(ウェルカム)、松青超市(マツセイ)など従来型スーパーは合計350店、同5%増の350億元と、半分以下の伸びにとどまった。

 チェーンストア業界最大の業界団体、台湾連鎖加盟協会(TCFA)の藩進丁理事長は、かつてはスーパーが高級市場、量販店が低価格市場を主導する「M字型」が形成されていたが、格安価格で低所得層を囲い込む業者が現れた結果、中間の位置付けの従来型店が押されて「L字型」に変化したと分析した。また、こうした現象はかつて日本でも起きたと指摘した。



物流センター完成で再値下げも

 コストコの張嗣漢・台湾総経理は、昨年の1割以上の増収に続き、今年も現段階で9%増収を達成している明らかにした。台湾の会員数は100万人余り、会員カードの更新率はアジア最高の9割以上で、これが売り上げをけん引する原動力だと指摘した。

 コストコは来週オープンの桃園店に続き、来年8月には嘉義店を出店する計画だ。既存の台北、新竹、台中、台南、高雄を合わせて10店に増え、主要都市をすべてカバーする。2020年に20店まで倍増させる目標もある。これに向け、来年3月には20店に供給できる規模の物流センターが桃園で完成する予定だ。コストを1%削減できるため一部商品の値下げもあるという。

 全聯は年内に700店まで拡大する計画だ。過去5年間、毎年100店近くを出店したほか、他社と異なり委託販売方式を採用し、商品を納入する業者から手数料を受け取らない代わりに業者に値引きを求めて低価格の品ぞろえを実現し、1~2割の売上成長を続けている。

【表】