ニュース 社会 作成日:2012年8月29日_記事番号:T00039059
台北市重慶南路は台湾最大の書店街として知られ、最盛期の1970〜80年代は100店舗以上が軒を連ねた。しかし、ここ15年で約7割が閉店に追い込まれ、30店が残るばかりだ。さらに4店が相次いで店を閉じることを決めており、そのうち創業36年の老舗「儒林書局」の店主は「残念だけれども、景気が悪いし、インターネットの書籍販売や大手チェーンとの価格競争が厳しく、もうやっていけない」と寂しそうに語った。
最盛期、同エリアには「中華書局」、「世界書局」、「商務印書館」といった当時の大手書店が集中したことで本を買い求める人が集まるようになり、さらに大小さまざまな書店が店を構えるようになった。同地で42年営業している「文鼎書局」の店主は、「当時はどの店も毎月2〜3割の利益を上げていた」と振り返る。
しかし90年代に入り、「金石堂」などの大手チェーン店が勢いを増し、さらに近年は「博客来」などネット販売サイトが台頭、電子書籍の流行もあって従来型の書店は不振を極めている。「儒林書局」ではここ5年、売り上げが毎年10%ずつ減少し、とうとう1カ月の家賃20万台湾元が支払えなくなった。
「文鼎書局」の店主も、「20年前に公務員試験の参考書に特化し、その後DVD教材販売に参入していなければ今ここに存在しないのでは」と語る。ただ、利益は従来より半減しているそうだ。
こうした中、書籍のみでは生き残れないと判断し、畑違いの商品に手を出す店舗が増えている。そのうちの一つ「新陸書局」は、店舗入り口でパンとデザートを売っている。今後はコーヒー販売も計画しているそうだ。「天龍書局」も1階部分を改装してコーヒーを取り扱う予定だ。
次々と姿を消す書店に、40代からは「書店街を歩き回り、実際に本を手にとって眺めるのはネット書店にはない楽しみ方だ。何とか営業を続けてほしい」との声もあるが、20代の若者は「大手チェーンもあるし、ネット書店の方が安いので特に影響はない」と冷めた意見だ。時代の流れには勝てそうにない。
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