ニュース 社会 作成日:2012年9月10日_記事番号:T00039262
1日の旅客輸送量が延べ160万人と、世界でもトップクラスの利用者数を誇る台北都市交通システム(MRT)だが、実はコインロッカーがまったく設置されていない。このため、大荷物を抱えた旅行者などにとって不便極まりないと、導入を求める声が高まっている。
台湾を訪れたある日本人女性バックパッカーは、タイトなスケジュールの中、できるだけ多くの観光スポットを回りたいと考え、台湾到着後にホテルに寄らず、直接MRTで淡水へ向かった。淡水駅で荷物を預けて探索に出かけようと考えていたが、いくら探してもコインロッカーが見つからない。日本であれば地下鉄の主要駅には当然のようにコインロッカーが設置されているため、台湾も同じだろうと思い込んでいたのが大きな間違いだった。
ただ、こう考えてしまうのは外国人だけではない。台湾人からも「荷物が多い時にコインロッカーがあればとても助かる」との声が挙がっている。実際、台湾鉄路(台鉄)の台北駅地下1階にあるコインロッカーは利用者が多く、平日の使用率は80%を超えるという。
もちろんMRT構内にコインロッカーを設置しないのには理由がある。台北MRTの譚国光総経理は「ニーズは確かにあるが、テロリストが爆弾を仕掛けたり、麻薬取引に利用されるリスクもある」と説明する。
しかし、台鉄の主要駅にはロッカーが設置されているし、高雄MRTも今年5月、左営駅にロッカーを導入した。
「爆弾」を念頭に設置しないという台北MRTの方針に対し、トイレやゴミ箱など危険な場所はいくらでも存在するという意見も。MRT側は「少しでもリスクを減らすことに意味がある」と反論している。
ただメディアは、台北市政府が「バックパッカー市場の商機獲得に全力を尽くす」と表明しているにもかかわらず、旅行者に大荷物を抱えて歩きまわらせるのであれば、日本や韓国との競争に勝てるだろうかと疑問を呈している。
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