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不況下の百貨店、創業祭セール強化


ニュース 商業・サービス 作成日:2012年9月12日_記事番号:T00039339

不況下の百貨店、創業祭セール強化

 百貨店業界の周年慶(創業祭)セールのシーズンが到来し、業者は「最後のチャンス」と販促を強化している。今年の消費低迷が予想以上に深刻で、積み上がった在庫の消化を迫られているためだ。台北101購物中心(台北101モール)は12日、アウディA6ハイブリッドが当たる抽選会など開業9年で最大規模のセールを開始した。来週以降、微風広場(ブリーズセンター)、京華城(リビングモール)や台中市の広三そごう百貨、中友百貨が、10月には太平洋崇光百貨(太平洋そごう)や新光三越百貨が続々と参戦する。12日付蘋果日報などが報じた。

 台北101の劉家豪広報担当は、今年の周年慶セールでは1,000台湾元(約2,600円)購入で商品券100元分を贈呈するほか、国際ブランドは初日から5日間に限り30万元購入で割引券3万6,000元分を贈呈すると、例年以上の還元率を強調した。アウディA6が当たる抽選会にはわずか3,000元の消費で参加でき、他社よりも敷居が低いと指摘した。大型ブランドの旗艦店出店や改装も相次いで完了しており、25日までのセール期間で業績の10~15%成長が見込めると説明した。

 ブリーズセンター(セール期間20日~10月11日)は例年通り1,000元購入で100元還元するほか、昨年好評だったタクシー無料サービス期間を2倍の10日間に延ばし、新たな試みとして提携クレジットカードでのフードコート15%引きを導入する。王玉文広報担当は、既にカード利用で宝飾品1,000万元の予約購入があり、100万元クラスも20人いると明かし、幸先の良い滑り出しをアピールした。セール期間中の売上高は前年比1割増の17億元を見込む。

 京華城(同20日~10月1日)は会員に4,800元購入で700元分の現金や食事券などを贈呈し、過去最高の還元率を実現する。広三そごう(同19日~10月9日)は全館3,000元購入で300元の割引券を、化粧品や下着、パジャマなどは2,000元で200元の割引券を贈呈する。台中中友(同29日~10月17日)も同様の還元セールのほか、米アップルのタブレット型パソコン、新「iPad」など3C(コンピュータ、通信、家電)製品が毎日1台当たる抽選会を実施する。

 太平洋そごうは10月3日に台北天母店、新光三越は4日に台北南西店を皮切りに周年慶セールに参入する予定だ。

比べて購入、消費者はシビア

 中国文化大学経済系の柏雲昌教授は、百貨店は昨年の時点で今年の景気低迷の度合いを予測しきれず、過剰な入荷を行った結果、在庫圧力が高まったため販促強化が必須だと分析した。消費者からは「今年は数社を比べて最もお得な製品を選ぶ」とシビアな声が聞かれる。

 業界関係者は、百貨店は販促を強化しても業績は昨年水準がやっとで、小幅なマイナス成長もあり得ると予測した。打撃が最も大きい婦人服は1~2割減、ブランド品はなんとか横ばいといったところで、大口顧客の消費意欲低下で、水面下の割引も増えると指摘した。

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