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台北駅ロビーが対策、外国人労働者の「集会所」化で


ニュース 社会 作成日:2012年9月14日_記事番号:T00039366

台北駅ロビーが対策、外国人労働者の「集会所」化で

 台北駅1階ロビーは週末になると大勢の外国人労働者が集まり、同郷者同士が近況を語り合う場となっている。イスラム教で断食月(ラマダーン)開けを祝う「イド・アル・フィトル」に当たった先月19日(日曜日)にはインドネシア人1万人以上で大混雑し、他の利用者から苦情が起きた。このため、集会活動をやめるよう求める掲示物を張るなど対策が講じられている。

 台北駅に集まるのはタイ、フィリピン、ベトナム、インドネシアから台湾へ出稼ぎに来た労働者だ。交通が便利で、お金がかからないことから、この場所が「集会所」に選ばれたようだ。

 イド・アル・フィトル当日は、インドネシア人が集まり台北駅南広場で祝賀イベントを開催。終了後に雨が降り始めたことから参加者は大挙して駅構内に移動し、ロビーのそこかしこで座り込んでしまった。

 通りにくいと駅利用者が新聞などに不満を投書。メディアも「外国人労働者が台北駅を占拠」などと題し、台湾鉄路(台鉄)の管理が不十分だと批判する記事を掲載した。

 これを受けて台鉄は「集会活動などの行為はやめてください。違反者は鉄道警察により退去させられることがあります」との警告を掲示した。さらに毎週末、ロビーを斜めに横切るための通路を、赤いテープを張り巡らせて確保している。

 古時彦・台北駅長は、たいていの外国人労働者は数人で一緒にジュースを飲みながらおしゃべりをしているだけで、移動するよう頼めばおとなしく従うが、台湾人の旅行者に同じことを言うと「どの法律を基に命令するのか」など反論することが多いと語った。

 駅の管理者としては多様な文化の尊重と旅客の権益保護を両立させなければならないが、何をどうしても一方から不満が起き「本当に難しい」と嘆く。異国の地で働く労働者たちの貴重な憩いの場が奪われるのは悲しいことだ。善処を期待したい。