ニュース その他分野 作成日:2012年9月14日_記事番号:T00039389
名門校、国立清華大学の経済系(経済学部)卒業生(27)が、給与水準が低すぎるという理由で台湾を離れて、豪州ワーキングホリデー(ワーホリ)で食肉解体処理業に就き、月10万台湾元(約26万円)の賃金を得ていると経済誌『今周刊』が報じ、社会的論議を呼び起こしている。一流大学の卒業生までが海外で肉体労働に就くことは、大卒者の賃金相場が上がらず、失業率が高止まりする劣悪な労働市場の反映であるためだ。14日付蘋果日報などが報じた。
この清華大学卒業生は台湾で2年働いたものの奨学金30万元を返済する金が貯まらず、豪州の食品加工工場で冷凍羊肉の皮をはぐ仕事に就いた。週800豪ドル(約6万5,000円)の収入を得ている。同工場では自分の労働力を2年間提供すれば200万元を持ち帰れると、台湾の若者が150人働いている。稼ぐにはオーストラリア人がやりたがらない仕事に就くしかなく、しかも故意の給与未払い、性的嫌がらせや暴力を受けることもあるという。
この報道に、台湾最大のインターネット掲示板、批踢踢実業坊(PTT)では、台湾人が海外で単純労働を担う外国人労働者になる時代が来たと議論になった。
大卒の意味揺らぐ
報道に対し、清華大学の葉銘泉・行政副校長は、経済系の就職率は良く、銀行など産業界の重要なポストに就いており、この卒業生は単なる一例だと語った。一方、ある清華大学3年生は、確かに卒業した先輩で専門職に就いている割合は少なく、卒業後の進路が心配だと語った。別の在学生は、海外で単純労働を提供するだけなら、大学で学ぶ必要があるのかと問い掛けた。
同様に豪州で食肉処理場や農場で2年働き、住宅購入の頭金にする180万元を貯めて昨年台湾に戻った女性(32)は、それまで働いていた電子業界では拘束時間が長くストレスも大きいが月給は3万5,000元で貯金などできなかったと説明した。また、豪州の牛や羊の食肉処理場では台湾大学、政治大学の卒業生も見かけたと話した。
行政院労工委員会(労委会)の統計によると、大学卒業者の2011年初任給は月2万6,577元で、03年から1.8%しか増えていない。主計総処の統計によると、15~24歳の7月失業率は12.96%、大卒以上は5.64%と、いずれも全体の4.31%を大きく上回っている。労委会の頼樹立・職業訓練局副局長は「賃金水準の低さが課題」と指摘した。
外交部の統計によると、豪州ワーホリの昨年の申請者数は1万3,000人で、今年上半期は9,600人の申請を受け付けた。現在、豪州でワーホリで就労しているのは3万人だ。
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