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電力値上げ、来年10月に延期


ニュース 公益 作成日:2012年9月18日_記事番号:T00039441

電力値上げ、来年10月に延期

 陳沖行政院長は17日の立法院で、12月10日に予定していた今年2回目の電力料金値上げを来年10月1日に延期すると表明した。景気が低迷する中でのコスト増を免れた産業界や消費者からは安堵(あんど)の声が聞かれた。馬英九総統は来年10月以降、燃料の国際相場の変動に応じて四半期ごとに電力料金を見直す変動性を導入する考えを明らかにした。18日付工商時報などが報じた。


陳沖行政院長は、燃料価格が大幅に上昇したにもかかわらず、電力料金は5月時点で1キロワット時(kWh)当たり2.6元と、82年の同2.76元から下がっていると指摘した(17日=中央社)

 陳行政院長は施顔祥経済部長に対し3項目の補完措置を取るよう指示した。▽電力を供給する台湾電力(台電)の経営改革・効率化に取り組む▽台電は使用量に応じて単価を定めた料金制度を取ってきたが、台湾中油(CPC)を参考に今後は燃料相場の変動を価格に反映する▽これまで台電が負担してきた社会的弱者などに対する補助金を、今後は各部会(省庁)の予算に編入する──。施経済部長は、来年10月の値上げ幅は11%とし、その後は燃料相場に応じた変動制を取るが、夏季料金には影響させないと語った。

台電、赤字拡大

 今年の電力料金値上げは台電の値上げを背景に、1回目の6月10日の40%に続き、12月10日にも40%引き上げ、台電の経営状況によっては3回目も行われることになっていた。

 台電の李鴻洲・広報担当は、12月の値上げが予定通り実施されれば来年の損失は230億台湾元(約620億円)だったはずだが、延期によって660億元に膨らみ、累計2,767億元と、資本金3,300億元の84%に達して破たんの危機に陥ると述べた。

 施経済部長は、台電を絶対に倒産させないと強調し、同社の改革には経済部が責任を持つと表明した。赤字が続く台電の経営体質に対しては、高志鵬立法委員(民進党)が台電の今年の予算が前年比で154億5,000万元増え、うち人件費が3億元余り、福利厚生費が1億3,719万元を占めており、損失が出るほど従業員の待遇は良くなっていると批判するなど与野党の立法委員が問題視している。

不透明要因を払拭

 電力料金の値上げ延期は産業界におおむね歓迎されている。特にセメント、鉄鋼、紡織、飲食業界はコスト負担が軽減する見通しだ。中華民国全国工業総会(工総)の許勝雄理事長は、早めの決断が産業界にとっての不透明要因を減らし、インフレ懸念も和らぐと評価した。中華民国全国商業総会(商総)の張平沼理事長は、産業界の苦しみと民意を2カ月間政府に訴えたかいがあったと語った。

 全家便利商店(台湾ファミリーマート)は、6月の電力料金値上げのほか、8月決定の最低賃金引き上げなど、コスト増につながる政策が多い中で一息つくことができたとしている。新光三越百貨は、台湾13店の年間の電力料金9億元から2割増えると見込んでいたが、値上げ延期で想定より支出が9,000万元減るという。鴻海科技集団(フォックスコン)、液晶パネル大手の友達光電(AUO)、半導体・太陽電池用シリコンウエハー大手の中美矽晶製品(シノアメリカン・シリコン・プロダクツ、SAS)などハイテク業界も歓迎の意を表明した。工業用電力の使用者は、値上げを実施した場合に比べて電力料金の支出が1割以上減る見通しだ。

 一方、発光ダイオード(LED)パッケージング(封止)最大手で、LED照明に参入している億光電子工業(エバーライト・エレクトロニクス)は、電力料金値上げの延期で、省エネがアピールポイントのLED照明市場は下半期の成長率が縮小すると複雑な表情だ。