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10年後の台湾、悲観視が多数に


ニュース その他分野 作成日:2007年11月26日_記事番号:T00003945

10年後の台湾、悲観視が多数に

 
 10年後の台湾社会の状況について中国時報が行った市民アンケートで、「好転する」が19.9%だった一方、「悪化する」は1.7倍の33.7%に上り、悲観的にとらえている人が多数に上っていることが分かった。今後最も心配される現象として、有識者からは「貧富の差の拡大」「経済発展の停滞」「族群(エスニックグループ)間の深刻な対立」がワースト3位として挙げられ、これらの問題の解決の方途としては、「中台関係の改善」を挙げる人が圧倒的に多いという結果となった。26日付同紙が報じた。

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 市民アンケートは11月2日と6日に行われ、有効サンプルは1,005件だった。

 市民が懸念する現象で上位にランクインしたのは、「治安の悪化」(76.6%)「教育改革の失敗」(74.1%)「青少年の競争力欠如」(73.7%)「貧富の差の拡大」(73.1%)「官僚の腐敗」(67.1%)で、比較的身近な問題に関心が集まっていることが分かる。

 「台湾社会を好転させるために何らかの行動をとるか?」という質問に対しては、「行動する」が45.8%である一方、「何をやっても無駄」と無力感を訴える回答が42.2%でほぼ拮抗したが、あきらめムードの高さが特徴的だ。

有識者は経済を懸念

 中国時報は市民とは別に大学教授やエコノミスト、企業経営者、マスコミ人、元政治家、スポーツ選手など各界の有識者50人にもアンケートを実施した。
 
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 それによると、今後10年で最も懸念される問題は、「貧富の格差拡大」が68%でワースト1位、次いで「経済発展の停滞」(60%)「深刻な族群対立」(46%)「教育改革の失敗」(42%)「国際的地位の孤立」(38%)「政府の財政破たん」(38%)という結果で、経済問題に関心が集まった。 また、こうした懸念の解決策として、有識者から挙げられた回答は「中台関係の改善」が40%と群を抜いて多く、対中関係の改善が実現しないことが、ここ数年間の経済停滞の最も大きな原因と認識されていることが分かった。
 
 巨大機械工業(ジャイアントMFG)の劉金標董事長は、「両岸(中台)関係は経済発展の根本的な鍵だ。平和共存体制を打ち立て、規制緩和と開放を進めることで中国市場を台湾経済発展の要地とすべきだ」と主張しており、中台関係改善による経済振興を唱える代表的な意見といえる。 

 一方、「中国による台湾武力侵犯」を心配する人は市民で22.1%、有識者16%といずれも最も低く、現実的な懸念としてはあまり認識されていないことが分かった。
  
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