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中国資本の台湾投資、原則開放へ


ニュース その他分野 作成日:2012年10月11日_記事番号:T00039854

中国資本の台湾投資、原則開放へ

 馬英九総統は10日の双十節(辛亥革命記念日)式典の演説で、外資の台湾投資は「原則開放、一部管理」を基本方針に定め、大幅に規制を緩和すると述べた。これを受けて施顔祥経済部長は、中国資本の投資開放を加速すると表明した。中国資本に対する第4次市場開放に、半導体や液晶パネルなど戦略7産業も対象に含めるかを検討しているもようだ。11日付経済日報などが報じた。


馬総統の大幅開放宣言に、産業界からは着実な実行を期待するとの声が上がった(10日=中央社)

 馬総統の演説を受け、陳沖行政院長は同日、財政・経済関連の部会(省庁)、中央銀行、行政院大陸委員会(陸委会)などに対し、外資に対する台湾投資開放の方法や範囲を早急に検討、協議するよう指示した。

中国資本に経営権も

 施経済部長は、中国資本の台湾投資について、国家の安全と利益を損なわない前提の下、できるだけ開放する方向で考えていると述べた。現行の許可制を事後届け出制に改め、事前に許可を必要とする例外を減らす方針を示した。両岸人民関係条例の大幅な改正を伴うが、1990年代の「原則禁止、例外は許可制」から02年の「許可制」を経て、従来では考えられなかったレベルまで規制が大幅に緩和されることになる。例えば製造業で経営権の掌握を認めないとする規制を撤廃するなど、付属条件を全面的に見直す方針だ。経済部関係者によると、半導体や液晶パネルなど戦略産業で中国資本の出資比率50%未満の上限撤廃、個別審査の導入を検討している。

 一方、中国資本の第1類通信事業者に対する投資開放に関して施経済部長は、交渉中で双方の協議を尊重すると述べ、多くを語らなかった。海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)の後続措置のサービス貿易協議(協定)に第1類通信事業者を含めるのは困難なようだ。施経済部長はまた、サービス業の開放は51%にすぎず、ポジティブリスト方式からネガティブリスト方式に移行するには時期尚早と語った。

 中国資本に対する第4次市場開放時期は年内にも決まる見通しだ。2009年6月から3回の開放で、製造業は204項目(全体の97%)、サービス業は161項目(51%)、公共建設は43項目(51%)が対象となっている。

産業界、現実的と評価

 馬総統の演説に対し中華民国全国商業総会(商総)の張平沼理事長は、就任以来で最も現実的な政策で、台湾経済の現況に合致していると評価した。中華民国全国工業総会(工総)は、部会をまとめる行政院副院長クラスのワンストップ窓口を復活させるべきと提言した。