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「台湾最初の24時間コンビニ」、あと2年で60年の歴史に幕


ニュース 社会 作成日:2012年10月15日_記事番号:T00039885

「台湾最初の24時間コンビニ」、あと2年で60年の歴史に幕

 基隆市文安里の成功橋のたもとで昔ながらの小さな雑貨店がひっそりと営業している。実は1950年の創業1年後から24時間営業を60年以上続けており、「台湾最初の24時間コンビニエンスストア」と言われている。この店はお客さんが店先で何を買おうか迷っていると「開けて食べてみて。気に入ったら買ってよ」などと声をかける人情味あふれるサービスで、近くに大手チェーンのコンビニがオープンした今も根強い人気を保っている。

 現在、店名もないこの雑貨店を店を切り盛りするのは2代目店主、易清吉さん(63歳)。その妻、簡碧珠さん(59歳)によると、先代の易渓王さん(故人)は夜中に開いている店が珍しかった開業当時、お客さんの役に立つようにと午前1〜2時まで店を開けていた。ところが、のんびり屋の渓王さんが店を閉めて片付けを終えるころには既に朝日が上っているという状態だったため、開業1年後に面倒くさくなって店を閉めるのをやめ、明け方奥さんに店番を引き継ぐ24時間営業に切り替えたという。

 10坪余りの手狭なスペースに所狭しと、しょうゆなど調味料や駄菓子から盆栽まで多種多様な商品が24時間並び、コンビニのなかった時代にはとても重宝され、周囲の住民は小さな子どもから大人までみんなお客さんだったとか。

 現在、2代目夫婦とその娘が交代で店番を務め、大手チェーンの進出にも負けず営業を続けている。

 「小さな店が競争するのは難しい」という碧珠さんだが、「子どもも大きくなったからもうけばかりを気にしなくていい。それに売っているのは商品というより、人情と思い出なんです」と長続きの秘訣を語る。

 ただ残念なことにこの店、2年後に成功橋が撤去されるのを機に店じまいする予定だ。碧珠さんは「今はバーチャルショップっていうのが流行っているそうじゃない。この店もみんなの心の中に残ればそれでいいよ」と話している。