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違法看板7度撤去もまた設置、取り締まりといたちごっこ


ニュース 社会 作成日:2012年10月17日_記事番号:T00039940

違法看板7度撤去もまた設置、取り締まりといたちごっこ

 台北市北投区の北投公園向かい側ビルの屋上に今年3月、高さ2階分以上はあろうかという巨大な広告看板が出現した。しかしこの看板、台湾ではよく見かける竹を組んで支えただけの簡単なもので、台風が来襲した際などは激しく揺れて落ちそうになり、通行者や周辺住民の安全を脅かしている。

 この危険な看板に対し周辺住民は、これまで17回にわたり台北市建築管理工程処(建管処)に苦情を申し入れ、同処も看板を設置したゼネコン業者に対し違法だと通告し撤去を求めた。

 しかしこの業者、建管処の通告を受けるたびに看板を撤去するものの、いつも1週間以内に再設置しており、最近では9月30日に撤去され、わずか3日後に元通りになった。この半年間でなんと7度の撤去・設置を繰り返しているそうだ。

 これに対し荘瑞雄・台北市議は「これは公権力に対する挑戦なのか、それとも建管処と業者の間に口約束でもあるのか」と厳しく批判。「市民の安全をまったく考えていない」と断罪した。

 荘市議の批判を受けて邱英哲・建管処副総工程司は、「現行の建設法規によると、屋上の違法建築に関しては撤去を要求し、これに従わなかった場合は法的措置を取ることができるが、広告看板はその対象に含まれておらず、罰則も規定していない。業者の行為は法律の穴を突いたものだ」と説明。業者は安い撤去・設置コストよりも広告効果を取ったというわけだ。

 法の不備が明らかになったため建管処は今後、現行の「台北市広告物暫定管理弁法」を条例に昇格させ、撤去後に違法のままの状態で再設置した場合、強制的に法的措置が取れるようにする方針で、年内に市議会での審議にかけたい考えだ。