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MSタブレット、Win8陣営に難敵


ニュース 電子 作成日:2012年10月18日_記事番号:T00039986

MSタブレット、Win8陣営に難敵

 マイクロソフト(MS)が米国時間16日、同社ブランドのタブレット型パソコン「サーフェス」の価格帯を499~699米ドルと発表した。搭載する自社OS(基本ソフト)ウィンドウズ8(Windows8)をリリースする26日に発売する。ワードやエクセルなどオフィスソフト内蔵で、アップルの「iPad」に挑む。同価格以上でウィンドウズ8搭載機種を投入する宏碁(エイサー)や華碩電脳(ASUS)は初戦負けが濃厚な上、後続機種でも80~90米ドルのラインセンス料支払いが価格抑制のネックになりそうだ。18日付工商時報などが報じた。


タッチカバーはセットに含まれる黒のほか、白、ピンク、青、赤の5色で別売119.99ドル。オフィスソフト内蔵でビジネスユーザーの取り込みが期待される(マイクロソフトリリースより)

 サーフェスは10.1インチディスプレイ、Windows8 RT版採用で、記憶容量32GB(ギガバイト)モデルが499米ドル、キーボードになる「タッチカバー」セットが599米ドル、64GBタッチカバーセットが699米ドルだ。グーグル「ネクサス7」の199米ドルや、発表前にうわさされていた「300米ドル」ほどの低価格ではなかったが、台湾のノートPCメーカー幹部は、マイクロソフトと戦うのは条件が厳し過ぎるとこぼす。Windows8搭載タブレットは10インチで部品コスト(BOM)が300米ドル以上かかる上、その2割をマイクロソフト自身は支払う必要のないラインセンス料が占めるためだ。

 当初は競争力があるとみられていたエイサーのWindows8 Pro版タブレット、「アイコニアW510」は32GBモデルで499.99米ドル、「W710」は64GBモデルで749.99米ドルから。ASUSのWindows8 RT版「Vivo Tab RT」は32GBモデル本体が599.99米ドル、キーボード付きで799.99米ドルだ。今後投入するWindows8 RT版タブレットは499米ドルを下回る価格設定を迫られる。

 両社はマイクロソフトに応戦するため、17日に幹部が集まって対策を検討した。エイサーの幹部は、サーフェスはエコシステム(生態系)全体の相場を引き下げるが、負の影響を与えるほどではないとコメントした。ASUSの張偉明財務長は、創意工夫のある製品投入で対抗すると述べるにとどめた。

スマホ・ノート参入も

 サーフェスは価格設定のほか、アップルにはまねできないオフィスソフト内蔵や、娯楽性、高機能も魅力だ。業界関係者によると、マイクロソフトは和碩聯合科技(ペガトロン)に生産を委託してスマートフォンを発売する計画があるとの市場観測が浮上しており、サーフェスが成功すればこれを移植する考えで、ノートPC市場に参入する可能性もあるという。

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