ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

TSMC董事長、台湾元高に不満【表】


ニュース 電子 作成日:2012年10月26日_記事番号:T00040140

TSMC董事長、台湾元高に不満【表】

 台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長は25日、台湾元相場の上昇が企業経営に影響を与えているとして中央銀行の為替政策を批判した。中銀はこれに対し同日夜、4ページにわたる反論の声明を出した。産業界のリーダーと為替当局の間で「為替論争」が勃発(ぼっぱつ)した形だ。26日付工商時報が伝えた。


張董事長は、TSMCは一企業のみならず、数十万の株主や、従業員やその家族の代表であり、利益を生み出せなければ影響は多岐にわたると語った(25日=中央社)

 張董事長は、台湾元相場が2007年末の1米ドル=32.48元から現在の29.26元へと9.9%上昇したのに対し、ライバル韓国の通貨ウォンが同じ期間に17.9%下落した点を挙げ、「ライバルがコストを圧縮し続ければ、企業はやっていけない」と不満を表明した。

 これに対し、中央銀行は同日夜、ノーベル経済学賞を受賞した米経済学者、クリストファー・シムズ氏の発言を引用し、「通貨政策は物価の安定を優先すべきで、個別の産業のみを考慮することはできない」と指摘した。

 中銀はまた、07年からの対米ドル相場の変動幅が韓国ウォンは13.07%で、台湾元(3.95%)の3.3倍に達する点を挙げ、「台湾元相場は韓国ウォンよりも相対的に安定している。為替相場の安定はリスク低減につながり、企業の対外貿易拡大に役立つ」と主張した。