ニュース 社会 作成日:2012年10月29日_記事番号:T00040146
物価が上昇する反面、給与水準は一向に上がらず、台湾の若者の生活は苦しくなる一方だ。家賃を捻出(ねんしゅつ)するのも一苦労で、特に台北市や新北市など賃料の高いエリアでは0.8〜3坪の「監獄」のような部屋を安い賃料で貸し出す物件に需要が高まっている。
蘋果日報の記者が調査したところによると、台北市や新北市では、古いアパートやプレハブ建ての30坪前後の部屋を10部屋ほどに区切り、それぞれ月3,000台湾元前後で貸し出す物件が多く存在する。
新北市ではある廃工場がアパートとして利用されており、1フロア40坪余りの6階建てに違法に1階を積み増した上で、合計150部屋に区切って貸し出している。
このアパートで1.5坪の部屋(家賃3,000元)を借りている27歳の若者は、新荘区で携帯電話用部品加工の仕事に就いており、月給は2万5,000元。「ここ数年でいくつか職場を変わったが、月給はほとんど変わらず、お金を節約しようと思えば家賃を減らす以外にない」と語る。
部屋の中には机もなく、床に直接置かれたパソコンを見ながら「電気代は家賃に含まれているから、パソコンで映画を見るのが一番の娯楽」と話した。
また台北市中山区の老朽アパート屋上に設置された違法建築の3坪(家賃4,500元)に住む28歳の女性は、国立大学の大学院を出て社会人4年目で月給は4万5,000元。「自分の給与ならもう少し良い部屋に住むことはできるけど、たくさん貯金したいから」と安アパート暮らしの理由を語る。
彼女の同僚の多くは月7,000元以上、一部は1万元台の部屋に住んでいるが、月給の3分の1近くを家賃で取られ、さらに生活費を引くと貯金は非常に難しいという。そんな彼女は台南出身で、「同じような仕事があれば故郷に帰りたい」とため息だ。
台北市では高級マンションが続々と建設されている一方で、こうした劣悪な環境で暮らす若者が増えていることに、社会学者などからは「政府の住宅、産業政策には大きな問題がある」と批判の声が上がっている。
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